ロシア帝国主義によるウクライナ侵略を弾劾しよう! ~ かつてともに闘った遠方のあなたへ ~

 プーチンのロシアの戦車はすでに、ウクライナの首都キエフに進行し、ウクライナの首都を制圧しつつある。ロシア外務省は、「抵抗しなければ交渉の余地がある」などと降伏勧告を発表した。他方、ウクライナ大統領は市民に火炎瓶で抵抗するよう呼びかけていると報じられている(2月25日午後9時)。米欧日の帝国主義各国はロシアに対して経済制裁措置を矢継ぎ早に発表した。

 

 かつて青年・学生時代に革命的マルクス主義派の指導する革命的反戦闘争の参加し、また厳しい状況の中で労働運動を担い、しかし、或る理由で闘いから離れた、あなたは、今このニュースをどういう思いで見ているのだろう。  

 

 ロシアのウクライナ侵略戦争には、次のような物質的基礎がある。
 プーチンのロシアは、ここ数年原油価格が上昇し、また高騰したことにより経済を持ち直してきてはいるのであるが、その内実は、石油・天然ガスの輸出に頼る以外にないという現状である。鉄鋼石などのベースメタルおよびレアメタルはともに枯渇し、すでに輸入に頼っている。また工業製品部門は、設備の技術性の高度化がなされず、国際的な競争力はない。また2014年のクリミア半島への侵略以来、それへの経済制裁によってルーブルの相場は下落してきた。この現状をプーチンは、かつて影響力をもっていた各国を政治的・軍事的・経済的に支配することによって、突破しようとしているのである。カザフスタンしかり、ウクライナしかりである。
 ソ連崩壊後、ロシアのスターリニスト官僚であった者どもは、その特権を利用して官僚資本家へと転化し、自国の政治経済構造を国家資本主義につくりかえてきた。プーチンのロシアは、その国際的地位の低下を軍事的侵略によって突破しようとしているのである。このようなロシアは、もはや、帝国主義国家である。
 習近平の中国もまた、「一帯一路」を掲げてアジア・アフリカ諸国への政治的・経済的支配を強め、帝国主義国家と化している。そして台湾への軍事的進攻を虎視眈々と狙っているのである。
 この中・ロの帝国主義国家は自国の領土の拡張・勢力圏の拡張の諸行動を強め、米欧日の帝国主義諸国家とおのれの利害をかけて激突しているのである。まさに今、ウクライナで行われているロシアの侵略が、これである。

 

 或る理由で闘いを離れたあなたは、ロシアによるウクライナ軍事侵略のニュースを、どのような思いで見ているのであろうか。
ヨーロッパにおいてロシアにおいてアメリカにおいて、そして日本において、ロシアのウクライナ侵略を弾劾するということが、それぞれのナショナリズムの高揚の手段として使われ、反ロシア・反中国=反「共産主義」というように、反共イデオロギ―が嵐のように流され、労働者への搾取・収奪・強権的支配が強化されていることを、あなたは直観しているはずだ。


 いま、今のおのれをのりこえる一歩を踏み出そう。勇気を出して。あなたの中に埋もれている、革命的マルクス主義者をめざしていたおのれの意志を、「帝国主義ロシアによるウクライナ侵略を弾劾する」という意志としてつらぬこう。
 ともに闘おう! 革命的マルクス主義の再生とプロレタリア・インターナショナルの創造をめざしてともに闘おう!
       (2022年2月26日   西 知生)