2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

——『新世紀』322号・早瀬論文批判(上)―― 第3回 ユーゴ反戦闘争の理論的教訓を再主体化しよう(「民族自決」原理をのりこえるため))

三、ユーゴ反戦闘争の理論的教訓を再主体化しよう 旧版『社会観の探究』ではもともとスターリンの民族理論が素朴に紹介されていただけだったのに比して、黒田は明らかに90年代以降のユーゴスラヴィア内戦をめぐる理論闘争の総括を意識して、「エスニシティ」…

——『新世紀』322号・早瀬論文批判(上)――第2回 黒田『社会の弁証法』の再検討(「民族自決」原理をのりこえるために

二、黒田『社会の弁証法』の再検討 せっかく早瀬自身が参照を指示してくれているのだから、黒田『社会の弁証法』を紐解いてみよう。該当箇所たる114節では、国家の本質論的な把握を踏まえて「国家意志」の歴史的諸形態が論じられ、前近代の絶対主義国家から…

「民族自決」原理をのりこえるために ——『新世紀』322号・早瀬論文批判(上)――第1回 エスニシティとネイション:早瀬のすりかえ

本2022年の運動を締めくくる12・4革共同政治集会において、全国から動員した組織成員に何がしかの確信を注入するという重責を担った「革マル派」中央官僚・平川桂は、壇上から次のように叫んだのだという——「プーチンは冬の寒さを武器にして「第二のホロドモ…

マルクス『共産党宣言』の、「民族独立」を希求する立場にたっての解釈=歪曲

早瀬光朔「プーチンの大ロシア主義」(『新世紀』第322号)に次の展開がある。 「レーニンと初期ボルシェビキは、独立した民族国家を単純に否定するズンドウの「世界革命」なるものをめざしていたわけではまったくない。彼らは、「内容上ではないが形式上…

「プロレタリア革命=民族独立」という解釈——〈中央官僚派ナショナリズム〉の完成

「革マル派」中央官僚派の早瀬光朔「プーチンの大ロシア主義」論文(『新世紀』第322号)の〔補〕に次のような展開がある。 「一九一七年から二二年にかけてのウクライナ革命=独立国家形成の過程」(109頁)、「「ウクライナ社会主義ソビエト共和国」…

「エスニシティ」概念の超歴史化的解釈——ブルジョア民族主義への転落の正当化

「革マル派」中央官僚派の機関誌『新世紀』第322号に掲載されている早瀬光朔「プーチンの大ロシア主義」に次のような展開がある。 「ロシア帝国が、ウクライナのエスニシティを、十八世紀末のいわゆるポーランド分割以降にみずからのもとに組みこみ従属さ…

「前原茂雄」、その嘘の深層

問題に〝踏み込んで〟馬脚をあらわす 「前原」は、デマシリーズ第七、八回で松代秀樹著『松崎明と黒田寛一』に何とか〝対抗〟しようとし、〝蛮勇〟をふるって具体的な問題に踏み込んだ。「9.20スローガン」問題、および「カチカチ山」問題についてである…