探究派公式ブログ

世界を変革しよう

現代帝国主義による新たな核戦争を阻止しよう!

戦火につつまれる現代世界

 

 広島・長崎への原爆投下から81年を経た今日、現代世界は東西の両帝国主義による戦火と殺戮の拡大の真っ只中にある。

 すでに五年目に入ったロシア帝国主義のウクライナ侵略と米欧の西側帝国主義諸国に支えられたウクライナ・ゼレンスキー政権の軍事的反撃、アメリカ帝国主義に支えられたイスラエル・ネタニヤフ政権のパレスチナ人居住地域(ガザ・ヨルダン川西岸地域)・さらにはヨルダン・シリアの領域への軍事攻撃とイスラエル人入植地の拡大。(パレスチナ当局によると、ガザなどでは既に七万人余が殺された。)さらにはベネズエラに続く、「反米」国家・イランへのアメリカ帝国主義・トランプ政権の軍事攻撃とイラン・イスラム聖職者専制国家の反撃、その泥沼化。
 プーチンのロシア帝国主義は、既にウクライナに隣接するベラルーシにも核爆弾の搭載が可能な中距離ミサイルを配備し、ウクライナへの核攻撃の脅しをもかけ続けている。また、アメリカ大統領・トランプは、抗戦を続けるイランイスラム共和国指導部にたいして、〝石器時代に追い返す〟だけでは飽き足らず、〝一つの文明が消失するだろう〟などという〝核恫喝〟をも繰りひろげている。
 西側帝国主義の一翼をになう日本帝国主義の高市政権は、その帝国主義的権益を維持・拡大するために、〝海洋進出〟を進める中国帝国主義・習近平政権に対抗して、あくまでも軍事的に対抗し、西太平洋海域における領土・領海のみならず、世界有数を誇る広いEEZ(経済的専管区域)の埋蔵資源・漁業権、さらにはいわゆる「シーレーン」の維持・確保をはかるために、本格的な軍事力の強化と軍需産業の育成、日本の労働者・勤労者・学生を兵士に仕立てる諸策動のために、奔走している。

 

「非核三原則」の虚構すら破棄するハラを固めた高市政権

 

 八月六日に開催された「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(広島市主催)に出席した首相・高市は、「唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界の実現に向けて努力をたゆまず続けていく」と発言した。だが、これほど卑怯な欺瞞的発言はない。被爆者団体などが求める「核兵器禁止条約」への参加は拒否し続け、「核保有国と非保有国の双方が参加するNPT(核兵器不拡散条約)体制の維持・強化」を訴える。だがこれは、日本帝国主義国家がアメリカ帝国主義の〝核の傘〟のもとで東側帝国主義諸国と対峙している現状に頬被りし、〝核保有国と非保有国の橋渡し〟の名の下に、アメリカ帝国主義を中心とする西側帝国主義諸国の核軍事力網の一翼をにない、その強化に突進していることを正当化する詭弁ではないか。

 それだけではない。「平和祈念式」において、首相・高市は、「非核三原則を堅持しており」と発言したが、これに対して、「読売新聞」や「日経新聞」は、こぞって「「将来的な堅持」明言せず」として報道した。これは明らかに、高市が日本帝国主義権力者として、「非核三原則」を破棄する意志を固めていることの表現以外のなにものでもない。このことは、防衛大臣・小泉が「核戦力やあらゆる政策をタブーなく議論すべきだ」などと公然と主張していることにも露出している。
 そもそも高市は、首相就任前の二〇二二年に「安保三文書」への「非核三原則を堅持する」との記載に反対していたし、自著(二〇二四年)で、〝「持たず、作らず」は良いが、「持ち込ませず」は非現実的〟であるとしていた。二〇二六年の衆議院選挙で圧勝し、「高市一強」などと言われる権力者としての地歩を打ち固めた高市は、今や「非核三原則」を破棄する第一歩を記したのである。
 「読売新聞」や「日経新聞」が「「非核三原則」の堅持を明言せず」と報道したのは、首相・高市のこの策動を評価し、国民的コンセンサスを形成しようとしている日本帝国主義ブルジョアジーの総意を代弁するものにほかならない。

 

 

日本帝国主義の核武装を許すな!

 

 だが、そもそも「非核三原則」それ自体が、在日米軍による日本への核兵器の持ち込みを隠ぺいする〝イチジクの葉〟だったのである。「日本は、自国で核兵器を保有しない。自国で核兵器を製造しない。外国の核兵器を日本の領土内に持ち込ませない」という「非核三原則」は、「沖縄施政権返還」をめぐって、在沖米軍の核兵器が日本領土内にもちこまれるのではないか、との疑いを沈静化するために、時の佐藤栄作政権がまとった〝隠れ蓑〟なのである。アメリカ帝国主義の太平洋における軍事的「要石」であった沖縄には、中国・北朝鮮・ソ連を攻撃するための核兵器が大量に配備・保存されていた。一九七二年の「沖縄施政権の返還」に際して、在沖米軍の核兵器は、日本政府の施政権下にそのまま組み込まれた。さらには、日米安保条約を法的根拠として、日本各地に設置されている米軍基地群、それらを拠点とする原子力潜水艦や空母、さらにはミサイル駆逐艦などに核兵器が装備されていることは、公然の秘密である。「非核三原則」は、このことを隠蔽するために、歴代の自民党政権が「堅持」してきた〝イチジクの葉〟なのである。
 だが、今日の高市政権は、そのような「非核三原則」さえをも、戦時体制づくりの障害としているのである。強力な帝国主義軍隊となった自衛隊と、核武装した米軍との、米軍司令部の指揮のもとでの共同作戦のみならず、自衛隊そのものの核武装さえもが、天皇制軍国主義者たちの選択肢ともなっている。
 だがこれは、日本の、そして全世界の労働者階級のかつてない惨禍をもたらすもの以外のなにものでもない。

 

〝ヒロシマ・ナガサキ〟の蛮行――米ソ角逐の烽火

 

 一九四五年八月に、アメリカ大統領・トルーマンは、日本への原爆の投下を命令した。この行為は、アメリカ帝国主義権力者たちによって、〝アメリカ軍兵士の死を増やさない〟ためだった、として正当化されてきたし、今日も正当化されている。彼らは戦争指導者としてのみずからを、〝戦争を勝利に導いた英雄〟として描くものであったのであるが、それはまったくの虚偽である。
 決定的なことは次の点である。
 当時、ナチス・ドイツとの「大祖国戦争」に勝利したスターリンのソ連邦が、ヨーロッパで勢力圏を拡大しつつあった。ヤルタ会談(一九四五年二月)で、当時のアメリカ大統領・ルーズベルトは、自国軍の負担を軽減するために、スターリンに「対独戦の勝利後の対日参戦」を約束させたのであったが、四月に死去したルーズベルトに変わってアメリカ大統領の座についたトルーマンは、ポツダム会談(一九四五年七月)でも示されたスターリンの膨張政策に危機意識を抱き、ソ連の対日参戦の直前に、日本帝国主義に決定的打撃を与え、この戦争を終了させることを目論んだ。そのために、完成したばかりの原子爆弾の日本への投下を命令したのである。しかも、その攻撃の矛先は、もはや軍事施設などよりも、日本の労働者たちを大量に殺戮することを主眼とするものであった。その意味では、首都の政権・軍の中枢ではなく、下町の人口密集地域を炎に包んだ大量虐殺・「東京大空襲」と同じである!(日比谷公園に行ってみよ!樹齢百年を超える樹木が多数茂っている。爆弾が落とされなかったからだ!)そして、「国体(天皇制)の護持」を最優先とし、ソ連の仲介での〝和平〟を目論んでいた日本帝国主義の支配層は、ことここに至って「国体護持」の姑息な目論みにもとづいて、「無条件降伏」を受け入れた。彼らはそのために、生かされ、その後も「日本の反共化」のために活用されたのだ!

    

 

帝国主義権力者による

一切の戦争政策反対!

 

 帝国主義権力者どもは、その権益を貫徹するために、労働者・学生たちを兵士として駆り立てるだけではない。「敵国」の支配層に圧力をかけるためも、「敵国」の労働者たちをその標的とし平然として殺戮するのである!このことを〝ヒロシマ・ナガサキ〟の悲劇は、今なお、われわれに突きつけている。

 高市政権によるいっさいの軍事力増強政策・戦争体制構築の諸攻撃に反対しよう!
 公然たる日本の核武装化反対!
 いっさいの帝国主義戦争を許さず、プロレタリア・インターナショナリズムに立脚して闘おう!
 いっさいの帝国主義国家を打倒するために闘おう!

  (二〇二六年八月八日 潮来一郎)

対中国の戦争体制の準備を急ぐ日本帝国主義・高市政権を打倒しよう!

「ちょうかい」の「トマホーク」発射実験

 

 防衛省は、7月30日、海上自衛隊のイージス艦「ちょうかい」による米国製巡航ミサイル「トマホーク」の実射試験を太平洋上で初めて実施し、成功したと発表した。
 これは、昨年9月から防空戦闘能力の高い「ちょうかい」を米国に派遣し、艦艇を巡航ミサイル「トマホーク」発射能力の獲得のために改修し、乗員の実射訓練を行い、実戦に対応する攻撃能力を確立したことを意味する。トマホークは、射程が約1600Kmである。ちなみに、この射程距離は、佐世保から北京までが約1400Kmであることを考えれば、中国近海や沿岸部のみならず内陸の一定部分をも射程に入れることになる。「ちょうかい」は佐世保基地を母港として、日本周辺でミサイル運用を始める。

    

     
敵基地攻撃能力の飛躍的強化

 

 装備される「トマホーク」ミサイルは、中国の対艦ミサイルの射程外からの攻撃を可能にする「スタンド・オフ・ミサイル」の一種である。
今年3月に、熊本県の陸上自衛隊・健軍駐屯地と静岡県の富士駐屯地に地対艦ミサイルを配備したのに加えて、「ちょうかい」は“楯”と“矛”を備えた強力な艦艇となった。「ちょうかい」は、日本の海上から、敵基地を攻撃することをねらうのである。   
「トマホーク」は、最近では、米軍がイランの小学校を破壊し175人を殺戮したミサイルである。このような殺戮は絶対に許されない。これと同様の殺りく兵器を自衛隊に装備することを高市政権が着々と進めているのである。断じて許してはならない!
防衛省は最大400発のトマホークを取得する計画であるという。全8隻のイージス艦から発射できるように順次改修をすすめるとともに、三菱重工とは“和製地対艦トマホーク”の量産の契約を結んでいる。
このように高市政権は、軍備の増強を進め、対中国(北朝鮮)の戦争体制の構築を急いでいるのである。この策動を阻止するために全力を結集してたたかおう!

   


     対中戦争準備を進める日本帝国主義・高市政権を打倒しよう!

 

中国海軍は、航空母艦、駆逐艦、フリゲート艦など多数の戦闘艦艇を保有し、日本周辺海域でも活発に航行し訓練をしている。7月19日には中国の軍艦がロシアの軍艦と共同航行中に、沖ノ鳥島周辺で機関銃での射撃訓練を行った。中国・ロシアは日本を「平和を脅かす」「新型軍国主義」として安全保障上の脅威として位置づけ、警戒を強めている。首相・高市の「台湾有事」、「安全保障政策の強化」、「集団的自衛権の行使の可能性」などの諸発言をめぐって、警戒を露わにしている。中国・習近平は「台湾の独立」の阻止、海洋権益の防衛、海外拠点と補給路の確保などをねらって、中国軍の海洋進出を進めているのである。
われわれは、このような東西の帝国主義諸国家権力者の対抗的な軍事力強化に断固として反対しなければならない。

「敵基地攻撃能力」の強化を図るトマホークミサイルの配備反対!
高市政権による「対中戦争」体制の構築を粉砕しよう!高市政権を打倒しよう!
東西の帝国主義の戦争を阻止しよう!
全世界の労働者階級は、国境をこえて団結し帝国主義戦争を阻止しよう!
いっさいの帝国主義権力を打倒するためにたたかおう!
   (2026年7月31日)

日本の軍事力増強反対!国家情報局設置反対!憲法改定反対!

 「めちゃくちゃな政治に抗議!」の“ペンライト運動”を、  階級的に強化し,ともに闘おう!

 「赤旗読者2023」がインターネットに配信したニュースによれば、7月10日、高市政権に抗議して、「WE WANT OUR FUTUER」が呼びかけた国会正門前の集会に27000人が集まったという。

 「めちゃくちゃな政治に抗議!」をスローガンに掲げたこの集会は、全国44都道府県135か所で同時開催されるとともに、オンライン配信の延べ視聴者数は11万人を超えたという。(「しんぶん赤旗」電子版によれば全国45都道府県153か所で同時開催され、全国あわせて約3.5万人が参加したという。)

 

法・制度によって高市政権の策動を規制する願望

 

 この集会では「5つの柱」が取り上げられた。「5つの柱」とは、①軍事化と平和憲法への脅威 ➁表現の自由と民主主義の毀損 ③ジェンダー・SRHR・人権 ④環境・エネルギーと世代間責任 ⑤司法制度の不備と冤罪である。

 主催者は、このような多様な課題を取り上げることで高市政権に反対する人々を結集しようとしたことがうかがえる。彼らがこの中で中心にしている①を切り口に、検討してみよう

 高市政権が推し進めようとしている「軍事化」に彼らはまず反対を表明する。「軍事費の膨張」として防衛費の急拡大、「敵基地攻撃能力と配備」として「長距離ミサイルの全国配備や南西諸島の軍事拠点化」を問題にしている。このように彼らは高市政権の軍事力増強政策に反対している。

 しかし、なぜ、なんのために、高市政権がそれらをやろうとしているのかをなんら暴きだしていないのである。高市政権はアメリカを中心とする西側帝国主義諸国と結託して、明らかに中国やロシアなどの東側帝国主義諸国に対して軍事的に打ち勝つ体制を構築しようとしているのである。このように彼らは、高市政権の軍事力増強の目的を問うことなく諸政策に反対する。わずかに、「国民の生活を重視せよ。」と対置しているにすぎない。

 さらに、「憲法第9条の堅持」や「武器輸出解禁の反対」を彼らは主張する。「憲法9条がこれまでの日本の安全を保障してきた」として憲法(前文や9条)が改定されてはならないというのである。また、「武器輸出三原則」が見直されて「殺傷能力のある武器の輸出を事実上全面解禁し、「戦争で稼ぐ国」へと舵をきる姿勢を糾弾」とするという。

 この2項目は、「戦後堅持」されてきた日本国憲法そのものが威力をもつものとみなし、それを守る(護憲)という立場が貫かれている。それは。憲法という法自体が政権を規制する力を持っているという幻想にもとづくものである。“ペンライト運動”という新しい装いをとっているが、この主張は立憲主義を標榜する野党(立憲民主党や日本共産党など)の主張と全く同じものなのである。まさにそうであるがゆえに、これは、高市政権の諸策動をうち砕いていく力をつくることができないのである。いやそもそも、「めちゃくちゃな政治に抗議する!」というメインスローガンは、この主催者たちが高市政権に“まともな政治”を要求するという全く非現実的なものである。この発想はあくまでも為政者に「善政」を求めるという立場にねざしている。そうであるがゆえにこれは、高市政権に反対する力を強化していく指針たりえないのである。

 このように、市民運動の観点に立つ限り、高市政権の階級的本質をあばきだすことは決してできない。

 このような市民運動の限界を克服していかなければならない。

 

 

市民運動の限界を克服しよう!

 

 高市政権は日本帝国主義国家のまさにブルジョア的国益を貫徹するためにこそ、このような諸攻撃をくりひろげているのである。その階級的利害を貫徹するために、労働者・学生に軍服を着せて兵士としてたたかわせようとしているのだ。それゆえに、これらを見抜きこのような階級的攻撃を覆す力をもっているのは労働者階級とそれとともにたたかう人々にほかならない。

 日本のすべての労働者の階級的団結をうち固め闘うことなしには決して新しい“未来”は切り開けない。若い労働者・学生・市民を再び三度、兵士として戦場に送ることがあってはならないのである。われわれは階級的立場に立って、軍事力増強反対!国家情報局設置反対!憲法改定反対!帝国主義戦争反対!の運動を推し進めなければならない。

 すべての労働者・学生・市民のみなさん、高市政権の諸政策に反対する闘いを「市民運動」に押しとどめることなく、労働者階級を中心とする力強いたたかいへと強化していこう!自分自身を単に「市民」として意識している限り、このような闘いはできないのである。

 この“ペンライトの運動”をこのような内実を持ったものに高めていこうではないか。

 「赤旗読者2023」や「しんぶん赤旗」が大きく取り上げているのは、日本共産党がこの運動に大きな関心を寄せ、この運動に依拠しようとしているからある。そのためにも彼らは、自らの党派の政治色をおしかくし、「市民」なるものをことさらに持ち上げているのである。いやそもそも日本共産党は労働者的階級性をとっくに失っているのだ。

 このように、自分自身を「市民」として限定するかぎり、決して階級的立場を自覚することも他者に自覚をうながすこともできないのである。私たちは岐路に立たされている。「市民運動」にとどまってはならない。いくら参集する人数が増えようが、いくらオンライン配信を視聴する人数が増えようが、高市政権を、さらには日本帝国主義国家を打倒していく力をつくることはできない。

 

今こそ、反戦の闘いを団結固く進めよう!

 

 労働者・学生・市民のみなさん!

 たたかいの団結の質を高めよう!そのために、たたかう立場を明確にしよう!

 高市政権は軍事力の強化と同時に「国家情報会議」を司令塔として、反戦の闘いに対する弾圧を一挙に強化しようとしている。労働者階級は団結してたたかおう。「国旗損壊罪」制定・「皇室典範」改定など天皇制軍国主義を煽るいっさいの攻撃に反対しよう!「スパイ防止法」制定や「対外情報庁」の設置に反対しよう!

 世界に目を転じて、全世界の労働者階級と団結する力を、つくりだし、プロレタリア・インターナショナリズムに立脚して闘おう!

 アメリカ帝国主義のイラン軍事攻撃弾劾!

 ロシア帝国主義のウクライナ軍事侵攻弾劾!

 いっさいの帝国主義戦争反対!帝国主義を打倒するためにたたかおう!

        (2026年7月25日)

国家情報局の設置に呼応し“スパイとの闘い”を煽るNHK

 NHKは、7月12日(日)の夜、視聴率が高い21時にNHKスペシャル「スパイ 機密と監視の境界で」を報道した。この番組の副題は「スパイはそこにいる 狙われる日本 元諜報員独白 監視の懸念」である。
 このような報道をNHKはなぜ組んだのか。「国家情報会議」の事務局として「国家情報局」が7月に設置されることに呼応して、“外国人スパイ”への警戒を大々的にあおり、「スパイ防止」の一大キャンペーンをはじめたのだ。

 

「国家情報局」の必要性の刷り込み


 NHKの番組制作の意図は明らかである。「国家情報局」が7月に設置されることに合わせて,“スパイとの闘い”の機運を盛り上げることにある。そのために、外国の諜報員によるスパイ活動•スパイ工作の実態とその捜査がどのようにおこなわれているのかを誇大に押し出すことから始める。
 番組の冒頭、公安関係の元捜査員のなまなましい証言が流される。
 立件された“スパイ工作”は、日常にありふれた状況の中で、私たちの身近なところで行われている。「日本国民」は大いに警戒し、国家として対処していくことが重要なのだと視聴者に刷り込んでいく。
 スパイ工作を受けた「体験者」にはこう語らせる。4年前、あるシンポジウムに参加した後、外国人に話しかけられた。流ちょうな日本語を話す白人の黒いスーツ姿の男性で、「在日ロシア連邦大使館○○」の肩書を記した名刺を渡された。このことをその学生が教授に相談したことで「スパイ工作」であったことがわかったという。
 このようにスパイ工作が始まっていく例を紹介して、人々の生活の中にスパイ工作者が忍び込んでいるから、近づいてくる相手に警戒心をもって接するように導く。
 さらにたたみかけるように、捜査関係者への取材からえた証言として、ソフトバンク社員がロシア人からスパイ工作を受けて本人も検挙された事件にスポットをあてる。最初は、飲み屋街で「いいお店、知りませんか」と外国人に声をかけられて一緒に行動したことからコミュニケーションがはじまる。やがて、求めに応じて会社のホームページのコピーを手渡して5万円を受け取った。その後、相手は「あなたのマンションを知っている」などと脅迫口調になり、携帯電話の基地局などに関する企業秘密のデータを求めてきた。彼は、相手の指示に従ってパソコン画面にデータを表示しカメラで撮影してその画像を渡し、20万円を受け取った。このことが発覚し、本人自身が検挙され、不正競争防止法違反で有罪(懲役2年、執行猶予4年、罰金80万円)になったという。 

 この件について、取材に応じた捜査関係者はいう。「当時接触をくりかえすのを警察がつかんでいたのだが、日本では情報が漏れたと確認されるまで立件が難しかった。これまでは捜査に限界があったのだ」。しかし、これは明らかに捜査当局が泳がせて立件したことをあけすけに告白するものではないか。
 そして、設置される「国家情報局」は、迅速に捜査し、このようなことが起きないように取り締まる組織だと、その意義をおしだしているのだ。

  

 

ロシア・中国を想定した「スパイ防止法」


 次に、複数の元公安関係の捜査員からの情報として、公にされていない事案を“初めて”紹介するという。
 その男の話は、「狙われるのは、民間企業の先端技術にとどまらない」「国の安全保障にかかわる重要な情報も狙われている」「国にとって困る情報がいっぱいあった。これは全部やられたなと思った」という述懐から始まる。
 ある中国人の自宅を別件で捜査すると、パソコンのデータが消去されていた。不審に思った捜査員がその情報を復元すると、内閣府、防衛庁、海上保安庁などの国家諸機関や、防衛関連産業のなどのフォルダに多くの情報が発見されたというのだ。護衛艦に関するものや弾薬数など…。その中国人とは、省庁に布団のシーツを納入している業者だったという。省庁に出入りする関係者から仕様書などを入手して、中国の防衛関係の会社に送っていたことがわかったという。しかし、警察はこの事案を立件し公表しなかったという。どこまでどのようにされたのかがつかめなかったからだというのだ。
 そして、次のシーンでは、中国の公安部門の元秘密警察員が、さまざまな情報をえるために、中国政府は他国にいる民間人から多くの情報を集めて集約し、分析しているのだ、と語る。NHKは、このことをわざわざネットワーク図を示して強調している。こういう中国の情報収集に対して、アメリカ・オーストラリア・カナダなど5か国が共同声明を発表して警戒を促しているという。
 もう一つ特徴的なシーンは、ロシア対外情報庁が発表した動画の紹介である。欧州で拘束された諜報員の家族をプーチン大統領が直々に空港で出迎える場面である。「英雄的行為」として印象付けるためだ、という解説をつけて。
 今回、NHKが取り上げたスパイ工作は、もっぱら中国とロシアのそれである。このように、NHKは、ロシアと中国による諜報活動に対する警戒を訴えているのである。

 

「国家情報局」は、情報管理体制の総仕上げ 

 

 首相・高市はいう。「我が国のインテリジェンスの基盤を整備する、そして、情報力を高めることによって直面する困難な課題に的確に対応する。国民の皆様の安全を守る、安心を守る、そして国益を守る」という。その最後には、かならず、“国民の安全・安心を守る”と。この高市の発言は、日本帝国主義権力者として、中国・ロシアの東側帝国主義諸国に対して、あくまで打ち勝ち、日本帝国主義の国益を貫徹することを宣言したものである。
 それと同時に、このような対外政策に反対する労働者・学生などの闘いを徹底的に調査し弾圧する意図を示したのである。
 この番組では、「国内テロ」を防止するための監視対象が膨大に挙げられていることの一端が報道された。その中でイスラム教徒72000人の情報が収集されていることを明らかにしている。その家族の一人ひとりの情報とともに、モスクの前に設置された監視カメラのデータ、「追い込み」(尾行)のデータも蓄積されているのだ。
 これとは別に、岐阜で当局の監視活動を不当だと提訴した女性は、福島原発の事故の後、風力発電に関心を持ったこと、原発についてⅩにつぶやいたことなどが、強力な「反原発」の発信者になる危険性があるという理由で監視対象にされているという。
 これらは、氷山の一角に過ぎない。

 

「国家情報会議」は“戦時国家体制づくり”

 

 「国家情報会議」は、「警察庁や防衛庁や公安調査庁などの各省庁からの情報を一元化して分析にあたる総合調整権を持つ」とされている。各省庁はスパイへの対処に加え、テロなどを未然に防ぐために情報収集に当たる。政府は、今後いわゆる「スパイ防止関連法案」の策定に加え、海外で活動を行う「対外情報庁」の創設も検討しているという諜報活動をさらに強化するために取り組み続けるという。

  



 NHKは、最後に「国家情報局」の捜査の弊害の可能性にふれている。
だが、それは、「国家情報局」を全面的に賛美し、“スパイとの闘い”を煽り立てるという犯罪的行為を隠蔽するためのペテンなのである。
 NHKは、高市政権の戦時国家体制づくりの片棒を担いでいるのである。われわれは断じてこれを許してはならない。

 そして、さらに、参政党などの極右諸勢力の活動家による行政機関や教育機関でのレッド・パージの策動もすでに始まっている。われわれは、いっさいの統制弾圧に抗して闘おう!
 首相・高市が「国家情報会議」を司令塔として軍事力の強化と治安弾圧を一挙に強化しようとしていることに労働者階級は団結して闘おう!
 労働者・学生は日本帝国主義国家権力の戦時体制の構築に反対し、高市政権を打倒するために闘おう!
 いっさいの帝国主義戦争反対!帝国主義諸国家の打倒をめざして闘おう!
  (2026年7月15日 赤井龍緒)

 

 

「国旗損壊罪」法の制定を弾劾しよう!!

日本ナショナリズムを煽り立て

「国威発揚」を図る高市政権を打倒しよう!!

 日本国旗(「日の丸」)を傷つける行為を罰する「国旗損壊罪」法案が7月17日、参院本会議で可決、成立した。「国旗」とされるものを公然と損壊する行為などを刑事処罰の対象とした。刑罰としては、「2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金」である。公布から20日後に施行される。
 
   天皇制ナショナリズムへの反抗の圧殺


 政府は、1999年に「国旗・国歌法」を制定し、「日の丸の掲揚と君が代の斉唱」に抵抗する教職員たちを行政的処分する法的根拠としてきた。さらに、今回の「国旗損壊法」は反抗する労働者や学生などに対して刑事罰を加えるというものなのである。しかも、この法律の制定は、自民党・日本維新の会のみならず参政党と国民民主党とともに、高市自民党が日本ナショナリズムを大々的に高揚させようとしてきたことの集約である。
 高市は、これまで、「日本会議議員懇談会」の副会長を務め、「憲法改正」や「伝統的価値観の擁護」を主張し、靖国神社に参拝するなど、保守系政治家として活動してきたのである。国家権力者になりあがった高市は、ここぞとばかりに日本は天皇のもとに国家をつくってきた国であり、「日の丸」の国旗を尊重するのが日本民族の務めであるという立場を鮮明にしたのである。

    

 

 今、まさに対中国との戦争をなしうる国家体制づくりに突進し、「国家情報会議」の設置と軌を一にして、この「国旗損壊罪」法を制定し、日本ナショナリズムを煽りたてているのである。野党諸政党は、憲法の「思想信条の自由」をたてにして弱々しく抵抗したにすぎなかった。
 そもそも「国旗損壊」行為としては、「社会通念上、国旗として認められる有体物」を「人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法」で「公然と損壊、除去、汚損」を処罰する行為として定義されている。しかし、それはいかようにも判断されるものである。これは、天皇制ナショナリズムに反対する労働者・学生・知識人を弾圧するものであり、新しいレッド・パージの基準なのである。

 

  皇室の維持と皇位の安定的継承のための「皇室典範」の改定を弾劾しよう!

 

 時を同じく、皇族数確保と皇位の安定的継承を謳う「皇室典範改正案」が与党と国民民主・公明・参政党の賛成多数で成立した。これは、天皇制の永続性を図るための「皇室典範」の改定である。国民民主党は、「国旗損壊罪」法の共同提案者になったばかりではなく、この「皇室典範」改定にも賛成し、翼賛政党としての素顔をむき出しにしたのである。これに対して、日本共産党は女性天皇を認めないのはおかしい、というように「皇族の拡大」「皇位の安定的継承」などと、か細い抵抗をくり広げたに過ぎない。
 われわれは、野党諸政党の反労働者性をあばきだし、高市政権の「国旗損壊罪」法の制定・「皇室典範」の改定を弾劾しよう
労働者・学生・知識人たちは、団結して,対中国戦争のために軍備の拡張、軍需産業の育成、武器輸出の拡大に反対しよう!
 さらには、「国家情報局」を設置するとともに「スパイ防止関連法案」の制定や「対外情報庁」の設置に突進する日本帝国主義・高市政権を打倒しよう!!
 いっさいの帝国主義戦争反対!! 

 帝国主義の打倒をめざして闘おう!!
   (2026年7月18日 畠山 耕作)

フランス・パリ「国際主義者会議」2026に向けた探究派のアピール(その2)

現代のプロレタリア革命と革命的左翼の諸任務——

職場闘争と労働組合における活動について

(一)
 日本帝国主義・高市政権は今、「積極的財政政策」の名において、史上最大規模の新規国債発行を進めている。これは、半導体・ICT分野への集中投資を進めることによって独占体の直接的生産過程を再編し、プロレタリアートからの一層の搾取を可能にする企てに他ならない。こうした中で、市場に流通する円通貨が量的に増大し、その価値は大幅に低落した。日本ブルジョアジーは諸商品を安価で外国に輸出し得ている反面、労働者階級は深刻な生活危機に直面させられている。なぜなら、日本国内に輸入されるエネルギーや生活資料の価格は上昇する一方、賃金水準は変わらず、したがって労働力の再生産費用は事実上切り下げられているのだからだ。これに加えて、高市政権は労働時間規制を大幅に緩和し、労働日の絶対的延長をも目論んでいる。米・中の角逐が激化する中で、高市政権は、日本帝国主義を飛躍させるためにプロレタリアートに対しての一大攻撃に打って出てきているのだ。
 このような状況において、日本労働者階級の間には不満が重積している。ブルジョアジーが恐れているのは、生活苦へのこの不満が自らに向かうことである。高市政権そして極右勢力が移民排斥のナショナリズムを扇動し、反中国キャンペーンを流布しているのは、日本プロレタリアートを「日本国民」として組織化し、労働者階級の階級意識をあらかじめ摘み取るためなのである。「日本人」として一丸となって中国帝国主義に対抗する、そのために生活苦に耐えて働くことが美徳であるという意識を注入できるならば、日本ブルジョアジーに対する労働者階級の不満を封じ込めることができる。高市政権が今「スパイ防止法」なるものの制定を目指しているのは、労働運動の戦闘的高揚のために闘う部分を排除し弾圧することを根本的な動機としているのだ。
 これに対抗できるだけの力は、日本労働運動から失われて久しい。このことは、社会民主主義者・スターリン主義者が指導していた既成労働運動がソ連邦の崩壊後に解体されたこと、そして資本家階級が「連合」労働貴族を介して労働者階級の闘争を消滅させたことに基づく。しかし、このことを理由にしてわれわれ革命的左翼は、労働組合の外部にのみ存在してはならない。労働者たちの不満と切実な要求に応えて職場管理者との闘争を牽引し、階級闘争を推進することのできる主体はわが国際主義者のみである。われわれは、労働運動を戦闘的に推進する中でいかにしてプロレタリアートを革命的階級へと組織するのか、その具体的な活動と教訓をめぐって討論を進めるべきである。




(二)
 今日、日本のみならず先進国一般において、極右ナショナリズムの影響が労働組合員の中にまで及んでいる。労働時間の延長、搾取・収奪の強化、生活危機という三重苦に対する不満を、外国人労働者に対する敵意へと転じさせるための排外主義的キャンペーンは、一定の功を奏していると言わねばならない。労働貴族に牛耳られてはいない「左翼的」労働組合においても、その指導部は「多文化共生」を唱えるだけで、極右勢力に対する具体的な対抗運動を全く組織化できていない。
 これに対してわが探究派はこの間、高市政権と極右勢力による排外主義的ナショナリズムを打ち砕くためのイデオロギー闘争を、わが党員たちの所属する労働組合の内部において果敢に繰り広げてきた。われわれはこの闘いをつうじて、次のことの確信を得た。すなわち、プロレタリア革命党のメンバーたる国際主義者が同時に労働組合に所属しながら、労働組合の内部でナショナリズム反対のイデオロギー闘争を繰り広げること、そして労働組合組織全体を政治闘争へと牽引し、労働組合を「労働組合主義」の水準から引き上げることは、可能である。
 街頭でのプロパガンダや機関紙活動をつうじて、労働者階級に対して国際主義的なイデオロギーを注入するだけでは全く不十分である。国際主義的組織は、その個々のメンバーが自ら実存する職場または地域において同僚の労働者たちを組織化するように促し、労働者階級の内部に根をはるのでなければならない。そのために、わが探究派のメンバーがそれぞれの所属する労働組合において行なった諸活動とその教訓を明らかにしたい。

1)労働組合の公然面においてプロレタリア国際主義を貫徹する闘い
 各企業の職場に実存し、そこに組合が存在する場合には同時に組合役員でもあるところのわが党員は、高市政権・極右勢力の宣伝する排外主義的ナショナリズムがプロレタリアートの階級的団結を破壊するためのイデオロギーであることを暴露し、これに反対するべきことを、組合役員として組合員に呼びかけた。労働組合の役員に就任しているわが仲間の場合には、帝国主義戦争に反対し排外主義的ナショナリズムに反対するべきことを自ら執筆した運動方針に盛り込み、これを労働組合の定期大会において機関決定した。このことに基づいてわが党員は、大会方針に自ら盛り込んだ方針を他の組合員に向けて宣伝し、それの体得を促すために活動することを、組合内の先進的な役員・一般組合員と意志一致して、これを実践した。このようにしてわが党員は、自らが所属して活動する労働組合を「労働組合主義」の水準から大きく越え出させる形で、そこにおいてプロレタリア国際主義を貫徹したのである。このような闘いによってプロレタリア党の党員が労働者階級の内部に根を張ることこそが重要なのであり、これは、労働組合の外部からプロレタリア国際主義のイデオロギーを宣伝し注入するだけでは不可能である。

2)左翼フラクションの組織化と党細胞の創造
 わが党員たちは、党員であると同時に、労働組合員である。わが革命的左翼が労働組合の役員を担う場合には、われわれはプロレタリア党の党員にふさわしい理論と実践をこの労働組合の内部で貫徹し、労働貴族やスターリニスト・社会民主主義者らの指導する労働運動とは質的に異なるものとしてこの労働組合を強化しなければならない。
 ここで重要なのは、わが党員の呼びかけに応じる先進的な組合員と論議し、組合内左翼フラクションを結成したことである。わが党員を含むこの左翼フラクションのメンバーは、組合運動上のその時々の課題に取り組むためだけでなく、一切のナショナリズムを超克し帝国主義戦争を阻止するための闘いを実現するために討論する。わが党員はフラクションのメンバーに対してマルクス主義の立場を提起し、これを理論的武器として労働運動の具体的方針を練り上げ実現し、フラクションのメンバーたちのこの実践をめぐる論議とマルクス主義の教育を徹底的におこない、仲間たちを共産主義者へと変革し鍛えあげていかなければならない。わが党員はこのような活動を通じて、労働組合運動を左翼的に実現するための実体的基礎として左翼フラクションを確立すると共に、このフラクションを基礎にして、そこでのイデオロギー闘争を通じて、わがプロレタリア党の担い手をどしどしつくりだし、党細胞を建設するのである。

 この国際主義者会議に結集した同志たちの中には、労働組合をもっぱら経済主義的闘争の機関として位置づけ、革命的左翼がその内部で活動することに消極的な見解を示す人もいるかもしれない。しかし、労働組合員を「労働組合主義」のイデオロギー的水準から超え出させることができるかどうかは、もっぱらわれわれプロレタリア党の実践にかかっていると言わなければならない。世界各国のプロレタリア前衛党が、その党員の所属する各地の職場にプロレタリア国際主義に立脚した労働運動を組織するならば、現在よりも高い水準かつ大きな規模での闘いを展開することができるはずである。わが党員がマルクス主義の立場を貫徹して労働組合そのものを質的に向上させ変革する闘いを推進することをつうじて、その闘いの核心的なメンバーの間で左翼フラクションを結成し、これを前衛党の党細胞の基礎とする。この闘いこそ、『労働組合:その過去・現在・未来』においてマルクスが明らかにした思想の貫徹である、とわれわれは考える。

(三)
 わが革共同がこのように職場・労働組合における活動の意義を強調するのは、プロレタリアート独裁を樹立するために、労働者評議会の結成が決定的だからである。もっぱら形式的に言えば、労働組合は労働者階級の階級的組織化にとっての即自的な形態であり、これに対してわがプロレタリア党はその対自的形態であり、労働者評議会はその即かつ対自的な形態、という構造をなす。われわれプロレタリア党は、労働組合の経済主義的な闘争=自然発生性に対して目的意識的に介入し、労働組合の運動そのものにおいてプロレタリア国際主義の立場を貫徹して、これを即自的なものから不断に脱却させるのでなければならない。そうでなければ、ブルジョア社会の決定的な危機の局面において、われわれが労働者評議会を牽引することはできない。つまり、われわれは革命の実現という目的意識性の観点から現在の実践を構想する必要がある、ということである。
 プロレタリア革命を実現する決定的局面において、われわれ革命的左翼は労働者評議会の結成を主導し、これを基礎にして、一切の生産を掌握しなければならない。そのために基礎となるのが、われわれプロレタリア党の党員たちがそれぞれの職場において建設している党細胞と、またそれに指導される左翼フラクションなのである。われわれが中核となって、全ての労働者階級をそれぞれの職域・産業の区別に基づいて各職場評議会へと組織しなければならない。そして、この職場評議会を基礎にして、業種別的・産業別的にも、そして地区的・地方的にも労働者評議会を結成し、これらすべてを包括しその頂点にたつ全国(全産業)労働者評議会を創造しなければならない。すなわち、われわれは、労働者評議会を、職場労働者評議会を基底とし・全国労働者評議会を頂点として、業種別的・産業別的と、地区的・地方的との二重の構成をもつものとしてつくりださなければならない。この全国労働者評議会が、ブルジョア国家権力を打倒し、みずからを唯一の国家権力にたかめるのであり、革命政府の構成員を選出するのである。
 このような立場からして、獲得したそのメンバーたちがどれだけ職場に根を張っているのか、どれだけ職場の労働者たちを組織しえているのか、ということが問題なのである。いざ革命を実現するという決定的な瞬間に、そのメンバーたちが職場のすべての労働者たちを組織して職場労働者評議会を創造することができるのかどうか、経営者や管理者たちを職場労働者評議会の統御のもとにおいて、職場労働者評議会が労働組織を編成し、生産を遂行し管理することができるのかどうか、ということが問題なのだからである。プロレタリア党が獲得したメンバーたちがそれだけの力をつけているのかどうか、ということが問題なのだからである。したがって、われわれは、職場においてプロレタリア党の細胞を創造し、種々のフラクションを組織して、労働組合の団結を強化することが必要なのである。
 われわれ国際主義者が職場と労働組合における活動に関して討論する場合には、このようにしてプロレタリア革命の実現という目的意識性の観点から現在の活動を規定することが肝要である。わが革共同は全ての諸君に向けてこのことを呼びかけるものである。
(2026年3月2日)

 

フランス・パリ「国際主義者会議」2026に向けた探究派のアピール(その1)

没落するアメリカ帝国主義の戦争放火と日本帝国主義の戦争準備——排外主義的ナショナリズムを打ち砕く

イデオロギー闘争を強力に推進しよう!

(一)
 今年1月3日未明、トランプ政権はベネズエラの首都・カラカスに対して150機以上の戦闘機を用いた空爆を実施し、地上部隊によりマドゥロ大統領夫妻を拉致した。その上でトランプは、アメリカがベネズエラの石油産業を支配することを、これに協力しない場合はベネズエラの現体制を打倒することを宣言した。アメリカは、マドゥロ夫妻の一挙手一投足を監視しつつ、ベネズエラがロシアから輸入していた防空システムを無力化した上で今回の攻撃を成功させたのである。当初はこの攻撃を激しく糾弾した副大統領ロドリゲスは、再度の攻撃を仄めかしたトランプに対し、一応は協力する姿勢へと転じた。中南米における「反米」政権の急先鋒を屈服させ、石油権益の確保を狙ったアメリカ帝国主義の企ては、このようにして成功を収めたかに見える。
 だが、これは没落するアメリカ帝国主義の悪あがきに他ならない。トランプはすでに昨年11月、新たに発表した国家安全保障戦略の文中において「モンロー主義」への回帰について言及した上で、ベネズエラを攻撃した直後には自ら「ドンロー主義」を提唱した。すなわち、ウクライナをはじめとするヨーロッパでの戦争からは徐々に手をひくと同時に、西半球だけはせめて自らの支配下に確保しようとする新たな世界支配戦略が、それである。トランプ政権がこのようにして天然資源の確保に躍起となり、世界の再分割をかけた新たな帝国主義戦争へと突き進んでいるのは、アメリカ諸資本が中国との角逐において劣勢に立たされていることに基づく。
 今回のベネズエラ攻撃そのものが、アメリカ帝国主義の没落ぶりを明らかにした。トランプは、たとえ圧倒的な軍事力でベネズエラ軍を沈黙させたのだとしても、チャベス前大統領以来の「反米」体制そのものを転覆はしなかった、否できなかったのだ。大統領代行に就任したロドリゲスは、トランプ政権への表向きの協力に基づいて実利を得て、マドゥロ政権下で破綻していた政治経済体制を固め直そうとしている。このボリバル共和国そのものをアメリカの傀儡国家へと転換させるだけの力は、アメリカには最早ない。過去の植民地支配、そして「シカゴ学派」主導の新自由主義的経済政策によって収奪されてきたのが中南米の労働者階級である。彼らは、たとえ歪曲された形ではあれ表向きは「社会主義」を看板にした「反米」政権に依然として一定の支持を与えているのであって、アメリカ帝国主義が支配を貫徹できないのは目に見えている。
 また、ベネズエラから一気呵成に中国の影響力を排除するのは危険である、という判断もトランプには働いたことだろう。中国・習近平政権がレアアース輸出規制をひとたび発動するならば、アメリカが優位を守りたいハイテク産業の商品生産はたちまち危機に陥る。せいぜい、中国特使がベネズエラを訪問していたその時を狙って軍事行動を起こすことによって習近平の面子をつぶすくらいのことしかできなかったのが今のアメリカなのだ。
 そうであるだけに一層、トランプは「ドンロー主義」に基づく世界の再分割をこそ「偉大なアメリカ」復活への突破口と見ている。「シェール革命」のゆえに休眠化していたアメリカ国内の既存の製油所をベネズエラ産の重質油輸入によって再び活発化させること、これのみが今回の攻撃の狙いなのではない。拘束されたマドゥロの姿を他の「反米」国家権力者に見せつけて威嚇すること、そして「反米」レジームは差し当たりそのままにした上でアメリカへ協力させ、中南米の豊富な天然資源を中国から奪回することが、アメリカ支配階級の根底的な動機である。とりわけレアアース・レアメタルの獲得をめぐる激突が、世界の再分割をめぐる闘争の一大焦点をなす。なぜなら、東および西の帝国主義陣営は、各国におけるICTの導入を通じての直接的生産過程の技術化、すなわちプロレタリアートからの一層の搾取と収奪を進めるために競い合っているのだからである。
 アメリカ帝国主義が中南米に軍事介入するのは、1973年のチリ・ピノチェト政権に対する軍事クーデターの支援、1983年グレナダ侵攻そして1989年のパナマのノリエガ拉致以来のことであり、ソ連邦の崩壊後としては初めての事態である。この30年余りの国家間関係を西側の「盟主」自身が破ったことに対して、例えばドイツ首相メルツが「米国の介入の法的な評価は複雑だ」と弱々しく述べたように、ヨーロッパの国家権力者は動揺を隠さなかった。ロシアおよび日増しに台頭する中国という東側の帝国主義陣営(崩壊したスターリン主義政治経済体制から転化したものとしての性格を刻印されたそれ)に軍事的にも経済的にも対抗してきたこれまでの西側の帝国主義陣営は、すでに一個の陣営としての体をなさなくなっている。それだけに一層、ヨーロッパの帝国主義諸国家はロシア帝国主義に対して、また日本帝国主義は中国帝国主義に対して、それぞれ莫大な額の軍事費を投じて本格的な戦争準備に突き進んでいる。
 このような時代の転換点にあって、各国の社会民主主義者および転向スターリニストは「国家主権の尊重」を要求することで、東西の軍事的均衡を国際法上の「平和」状態だと理想化している。こうした小ブルジョワ的平和主義をイデオロギー闘争をつうじて粉砕しつつ、われわれ革命的左翼はプロレタリア国際主義に立脚して反戦闘争を推進するのでなければならない。

 

(二)
 日本では2月8日の衆議院選挙において、自民党と維新の会が全議席の3分の2以上を獲得した。これはすなわち、高市政権の与党が憲法改定を発議する勢力を確保したということである。高市は、外に向かっては反中国の軍事力を増強し、内に向かっては移民排斥の日本ナショナリズムを宣伝することによって、生活危機にあえぐ労働者階級の不満を押さえ込もうと目論んでいる。こうした政策の故に彼女は、「リベラル」石破に代わる強力なリーダーとして、日本ブルジョアジーからの熱い支持を得たのである。
 日本初の女性総理として登場した安倍派のナショナリスト・高市早苗は1月16日、イタリア首相メローニと東京で会談し、親密ぶりを内外にアピールした。この二人は単に女性であるというだけで親密なのではなく、排外主義をイデオロギー的な心棒にしている点で、そしてまたアメリカには依存せずに独自の軍事力強化を推進するその階級的利害において、相通じている。
 既に日本とイタリアは、イギリスを加えて三国共同での新たなステルス戦闘機開発に着手していた。これはイタリアにとって、ロシアに立ち向かうEUを自らが牽引していくにふさわしい規模の軍事力を構築するためであり、日本にとっては、中国に対して軍事的に対抗する上での切り札となる戦闘機を得るためである。そして、ただ単に軍事力の強化のみがこの戦闘機開発の動機なのではない。「グローバル戦闘航空プログラム」(GCAP)参加国はこの戦闘機開発を通じて、半導体産業をはじめとする自国の工業生産を強化拡大させて研究開発への投資を呼び寄せることを、また軍事研究の成果を「デュアルユース」の名において民生用としても活用し独占資本の直接的生産過程を高度に技術化することを、さらには「サプライチェーン」の共有をもって中国による資源外交に対抗することを、それぞれ企図している。この戦闘機開発は、イタリアと日本にとっては自らが一流の帝国主義国家として台頭するための一大事業に他ならない。まさしくアメリカ帝国主義が没落ぶりをあらわにしている今こそが、メローニと高市にとって自らの飛躍をかけて行動するべき好機なのである。
 高市は首相に就任してすぐに、中国が台湾に対する軍事侵攻を開始した時には日本軍も軍事行動をとることを明言し、これに対して中国・習近平政権は即座に、日本を訪れる予定だった大量の中国人観光客に対して渡航中止を呼びかけたほか、レアアースの輸出規制を発表した。就任早々、横須賀基地でトランプと抱擁してヤンキー軍人からの熱い拍手を浴びた余韻に浸っていた高市は、中国との軍事的緊張が高まる際にはアメリカ帝国主義がきっと手を差し伸べてくれることを期待して、また同時に日本「有事」にあたってはアメリカが日本を防衛することを定めた日米安保条約が存在することをトランプに再認識させる意図をも込めて、国会の場で中国に対する挑発的な言動を公式に表明したのだった。しかしながら結果は、中国との緊張関係を高めないように高市がトランプから諌められるという結果に終わった。その時まさにトランプは「ドンロー主義」国家戦略の緻密化とベネズエラ攻撃の計画に専念していたのであり、高市としては期待を裏切られる格好となった。高市が今メローニとの交歓に積極的なのも、アメリカから肩すかしをくらったという、このことの教訓化に基づく。まさしくアメリカ帝国主義の歴史的没落ゆえに、日本は今後、ヨーロッパ帝国主義と軍事的にも経済的にも関係を強化していくであろう。(高市・メローニ会談においては、戦闘機開発へのドイツの参画も議題に上がった。)
 東側の帝国主義陣営すなわち中国とロシアを地理的に挟みながらも日本帝国主義とヨーロッパ帝国主義とが急接近する、という今日の情勢のもとで、各国権力者は膨大な国家予算を軍事部門へ投入し、さらには徴兵制の復活を目指している。日本では、極右政党が「核武装の方が安上がりだ」と主張し、高市政権の高官がそれを選択肢として検討している旨の発言をあえてした。中国に対する敵愾心と日本民族の優越意識をあおり立てることによって、労働者階級を戦争へと駆り立てているのが極右政党および高市政権である。彼らは、日本ブルジョアジーを利するよう円安・株高状態を意図的に作り出す「責任ある積極財政」なるものを推進し、そのことによってわれわれ日本のプロレタリアートに生活物資の高騰・実質賃金引き下げを強いているのであり、これに反抗するプロレタリアートの闘争が高揚するのをあらかじめ封じ込めるためにも、天皇制ナショナリズムを注入して日本「国民」のイデオロギー的統合を図っているのだ。このような情勢のもとでわれわれ革命的左翼は、天皇制軍国主義ナショナリズムを粉砕するイデオロギー闘争を全社会的に推進するのでなければならない。
 そしてこれと同じ任務が、極右勢力の台頭する各国の国際主義者にも同じく課せられているとわれわれは考える。
 全世界の同志たち!既存の世界秩序が危機にある中で、プロレタリアートは貧困に突き落とされ、新たな戦争へと動員されている。われわれ国際主義者は、それぞれが所属する職場・労働組合において帝国主義戦争反対の闘いに決起すべきことを同僚たちに提起し、労働者階級を革命的階級として組織化しよう!この組織化の実践、その教訓をめぐって討論することをわれわれは全ての同志たちに呼びかける。
    (2026年3月1日)