探究派公式ブログ

世界を変革しよう

国家情報局の設置に呼応し“スパイとの闘い”を煽るNHK

 NHKは、7月12日(日)の夜、視聴率が高い21時にNHKスペシャル「スパイ 機密と監視の境界で」を報道した。この番組の副題は「スパイはそこにいる 狙われる日本 元諜報員独白 監視の懸念」である。
 このような報道をNHKはなぜ組んだのか。「国家情報会議」の事務局として「国家情報局」が7月に設置されることに呼応して、“外国人スパイ”への警戒を大々的にあおり、「スパイ防止」の一大キャンペーンをはじめたのだ。

 

「国家情報局」の必要性の刷り込み


 NHKの番組制作の意図は明らかである。「国家情報局」が7月に設置されることに合わせて,“スパイとの闘い”の機運を盛り上げることにある。そのために、外国の諜報員によるスパイ活動•スパイ工作の実態とその捜査がどのようにおこなわれているのかを誇大に押し出すことから始める。
 番組の冒頭、公安関係の元捜査員のなまなましい証言が流される。
 立件された“スパイ工作”は、日常にありふれた状況の中で、私たちの身近なところで行われている。「日本国民」は大いに警戒し、国家として対処していくことが重要なのだと視聴者に刷り込んでいく。
 スパイ工作を受けた「体験者」にはこう語らせる。4年前、あるシンポジウムに参加した後、外国人に話しかけられた。流ちょうな日本語を話す白人の黒いスーツ姿の男性で、「在日ロシア連邦大使館○○」の肩書を記した名刺を渡された。このことをその学生が教授に相談したことで「スパイ工作」であったことがわかったという。
 このようにスパイ工作が始まっていく例を紹介して、人々の生活の中にスパイ工作者が忍び込んでいるから、近づいてくる相手に警戒心をもって接するように導く。
 さらにたたみかけるように、捜査関係者への取材からえた証言として、ソフトバンク社員がロシア人からスパイ工作を受けて本人も検挙された事件にスポットをあてる。最初は、飲み屋街で「いいお店、知りませんか」と外国人に声をかけられて一緒に行動したことからコミュニケーションがはじまる。やがて、求めに応じて会社のホームページのコピーを手渡して5万円を受け取った。その後、相手は「あなたのマンションを知っている」などと脅迫口調になり、携帯電話の基地局などに関する企業秘密のデータを求めてきた。彼は、相手の指示に従ってパソコン画面にデータを表示しカメラで撮影してその画像を渡し、20万円を受け取った。このことが発覚し、本人自身が検挙され、不正競争防止法違反で有罪(懲役2年、執行猶予4年、罰金80万円)になったという。 

 この件について、取材に応じた捜査関係者はいう。「当時接触をくりかえすのを警察がつかんでいたのだが、日本では情報が漏れたと確認されるまで立件が難しかった。これまでは捜査に限界があったのだ」。しかし、これは明らかに捜査当局が泳がせて立件したことをあけすけに告白するものではないか。
 そして、設置される「国家情報局」は、迅速に捜査し、このようなことが起きないように取り締まる組織だと、その意義をおしだしているのだ。

  

 

ロシア・中国を想定した「スパイ防止法」


 次に、複数の元公安関係の捜査員からの情報として、公にされていない事案を“初めて”紹介するという。
 その男の話は、「狙われるのは、民間企業の先端技術にとどまらない」「国の安全保障にかかわる重要な情報も狙われている」「国にとって困る情報がいっぱいあった。これは全部やられたなと思った」という述懐から始まる。
 ある中国人の自宅を別件で捜査すると、パソコンのデータが消去されていた。不審に思った捜査員がその情報を復元すると、内閣府、防衛庁、海上保安庁などの国家諸機関や、防衛関連産業のなどのフォルダに多くの情報が発見されたというのだ。護衛艦に関するものや弾薬数など…。その中国人とは、省庁に布団のシーツを納入している業者だったという。省庁に出入りする関係者から仕様書などを入手して、中国の防衛関係の会社に送っていたことがわかったという。しかし、警察はこの事案を立件し公表しなかったという。どこまでどのようにされたのかがつかめなかったからだというのだ。
 そして、次のシーンでは、中国の公安部門の元秘密警察員が、さまざまな情報をえるために、中国政府は他国にいる民間人から多くの情報を集めて集約し、分析しているのだ、と語る。NHKは、このことをわざわざネットワーク図を示して強調している。こういう中国の情報収集に対して、アメリカ・オーストラリア・カナダなど5か国が共同声明を発表して警戒を促しているという。
 もう一つ特徴的なシーンは、ロシア対外情報庁が発表した動画の紹介である。欧州で拘束された諜報員の家族をプーチン大統領が直々に空港で出迎える場面である。「英雄的行為」として印象付けるためだ、という解説をつけて。
 今回、NHKが取り上げたスパイ工作は、もっぱら中国とロシアのそれである。このように、NHKは、ロシアと中国による諜報活動に対する警戒を訴えているのである。

 

「国家情報局」は、情報管理体制の総仕上げ 

 

 首相・高市はいう。「我が国のインテリジェンスの基盤を整備する、そして、情報力を高めることによって直面する困難な課題に的確に対応する。国民の皆様の安全を守る、安心を守る、そして国益を守る」という。その最後には、かならず、“国民の安全・安心を守る”と。この高市の発言は、日本帝国主義権力者として、中国・ロシアの東側帝国主義諸国に対して、あくまで打ち勝ち、日本帝国主義の国益を貫徹することを宣言したものである。
 それと同時に、このような対外政策に反対する労働者・学生などの闘いを徹底的に調査し弾圧する意図を示したのである。
 この番組では、「国内テロ」を防止するための監視対象が膨大に挙げられていることの一端が報道された。その中でイスラム教徒72000人の情報が収集されていることを明らかにしている。その家族の一人ひとりの情報とともに、モスクの前に設置された監視カメラのデータ、「追い込み」(尾行)のデータも蓄積されているのだ。
 これとは別に、岐阜で当局の監視活動を不当だと提訴した女性は、福島原発の事故の後、風力発電に関心を持ったこと、原発についてⅩにつぶやいたことなどが、強力な「反原発」の発信者になる危険性があるという理由で監視対象にされているという。
 これらは、氷山の一角に過ぎない。

 

「国家情報会議」は“戦時国家体制づくり”

 

 「国家情報会議」は、「警察庁や防衛庁や公安調査庁などの各省庁からの情報を一元化して分析にあたる総合調整権を持つ」とされている。各省庁はスパイへの対処に加え、テロなどを未然に防ぐために情報収集に当たる。政府は、今後いわゆる「スパイ防止関連法案」の策定に加え、海外で活動を行う「対外情報庁」の創設も検討しているという諜報活動をさらに強化するために取り組み続けるという。

  



 NHKは、最後に「国家情報局」の捜査の弊害の可能性にふれている。
だが、それは、「国家情報局」を全面的に賛美し、“スパイとの闘い”を煽り立てるという犯罪的行為を隠蔽するためのペテンなのである。
 NHKは、高市政権の戦時国家体制づくりの片棒を担いでいるのである。われわれは断じてこれを許してはならない。

 そして、さらに、参政党などの極右諸勢力の活動家による行政機関や教育機関でのレッド・パージの策動もすでに始まっている。われわれは、いっさいの統制弾圧に抗して闘おう!
 首相・高市が「国家情報会議」を司令塔として軍事力の強化と治安弾圧を一挙に強化しようとしていることに労働者階級は団結して闘おう!
 労働者・学生は日本帝国主義国家権力の戦時体制の構築に反対し、高市政権を打倒するために闘おう!
 いっさいの帝国主義戦争反対!帝国主義諸国家の打倒をめざして闘おう!
  (2026年7月15日 赤井龍緒)

 

 

「国旗損壊罪」法の制定を弾劾しよう!!

日本ナショナリズムを煽り立て

「国威発揚」を図る高市政権を打倒しよう!!

 日本国旗(「日の丸」)を傷つける行為を罰する「国旗損壊罪」法案が7月17日、参院本会議で可決、成立した。「国旗」とされるものを公然と損壊する行為などを刑事処罰の対象とした。刑罰としては、「2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金」である。公布から20日後に施行される。
 
   天皇制ナショナリズムへの反抗の圧殺


 政府は、1999年に「国旗・国歌法」を制定し、「日の丸の掲揚と君が代の斉唱」に抵抗する教職員たちを行政的処分する法的根拠としてきた。さらに、今回の「国旗損壊法」は反抗する労働者や学生などに対して刑事罰を加えるというものなのである。しかも、この法律の制定は、自民党・日本維新の会のみならず参政党と国民民主党とともに、高市自民党が日本ナショナリズムを大々的に高揚させようとしてきたことの集約である。
 高市は、これまで、「日本会議議員懇談会」の副会長を務め、「憲法改正」や「伝統的価値観の擁護」を主張し、靖国神社に参拝するなど、保守系政治家として活動してきたのである。国家権力者になりあがった高市は、ここぞとばかりに日本は天皇のもとに国家をつくってきた国であり、「日の丸」の国旗を尊重するのが日本民族の務めであるという立場を鮮明にしたのである。

    

 

 今、まさに対中国との戦争をなしうる国家体制づくりに突進し、「国家情報会議」の設置と軌を一にして、この「国旗損壊罪」法を制定し、日本ナショナリズムを煽りたてているのである。野党諸政党は、憲法の「思想信条の自由」をたてにして弱々しく抵抗したにすぎなかった。
 そもそも「国旗損壊」行為としては、「社会通念上、国旗として認められる有体物」を「人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法」で「公然と損壊、除去、汚損」を処罰する行為として定義されている。しかし、それはいかようにも判断されるものである。これは、天皇制ナショナリズムに反対する労働者・学生・知識人を弾圧するものであり、新しいレッド・パージの基準なのである。

 

  皇室の維持と皇位の安定的継承のための「皇室典範」の改定を弾劾しよう!

 

 時を同じく、皇族数確保と皇位の安定的継承を謳う「皇室典範改正案」が与党と国民民主・公明・参政党の賛成多数で成立した。これは、天皇制の永続性を図るための「皇室典範」の改定である。国民民主党は、「国旗損壊罪」法の共同提案者になったばかりではなく、この「皇室典範」改定にも賛成し、翼賛政党としての素顔をむき出しにしたのである。これに対して、日本共産党は女性天皇を認めないのはおかしい、というように「皇族の拡大」「皇位の安定的継承」などと、か細い抵抗をくり広げたに過ぎない。
 われわれは、野党諸政党の反労働者性をあばきだし、高市政権の「国旗損壊罪」法の制定・「皇室典範」の改定を弾劾しよう
労働者・学生・知識人たちは、団結して,対中国戦争のために軍備の拡張、軍需産業の育成、武器輸出の拡大に反対しよう!
 さらには、「国家情報局」を設置するとともに「スパイ防止関連法案」の制定や「対外情報庁」の設置に突進する日本帝国主義・高市政権を打倒しよう!!
 いっさいの帝国主義戦争反対!! 

 帝国主義の打倒をめざして闘おう!!
   (2026年7月18日 畠山 耕作)

フランス・パリ「国際主義者会議」2026に向けた探究派のアピール(その2)

現代のプロレタリア革命と革命的左翼の諸任務——

職場闘争と労働組合における活動について

(一)
 日本帝国主義・高市政権は今、「積極的財政政策」の名において、史上最大規模の新規国債発行を進めている。これは、半導体・ICT分野への集中投資を進めることによって独占体の直接的生産過程を再編し、プロレタリアートからの一層の搾取を可能にする企てに他ならない。こうした中で、市場に流通する円通貨が量的に増大し、その価値は大幅に低落した。日本ブルジョアジーは諸商品を安価で外国に輸出し得ている反面、労働者階級は深刻な生活危機に直面させられている。なぜなら、日本国内に輸入されるエネルギーや生活資料の価格は上昇する一方、賃金水準は変わらず、したがって労働力の再生産費用は事実上切り下げられているのだからだ。これに加えて、高市政権は労働時間規制を大幅に緩和し、労働日の絶対的延長をも目論んでいる。米・中の角逐が激化する中で、高市政権は、日本帝国主義を飛躍させるためにプロレタリアートに対しての一大攻撃に打って出てきているのだ。
 このような状況において、日本労働者階級の間には不満が重積している。ブルジョアジーが恐れているのは、生活苦へのこの不満が自らに向かうことである。高市政権そして極右勢力が移民排斥のナショナリズムを扇動し、反中国キャンペーンを流布しているのは、日本プロレタリアートを「日本国民」として組織化し、労働者階級の階級意識をあらかじめ摘み取るためなのである。「日本人」として一丸となって中国帝国主義に対抗する、そのために生活苦に耐えて働くことが美徳であるという意識を注入できるならば、日本ブルジョアジーに対する労働者階級の不満を封じ込めることができる。高市政権が今「スパイ防止法」なるものの制定を目指しているのは、労働運動の戦闘的高揚のために闘う部分を排除し弾圧することを根本的な動機としているのだ。
 これに対抗できるだけの力は、日本労働運動から失われて久しい。このことは、社会民主主義者・スターリン主義者が指導していた既成労働運動がソ連邦の崩壊後に解体されたこと、そして資本家階級が「連合」労働貴族を介して労働者階級の闘争を消滅させたことに基づく。しかし、このことを理由にしてわれわれ革命的左翼は、労働組合の外部にのみ存在してはならない。労働者たちの不満と切実な要求に応えて職場管理者との闘争を牽引し、階級闘争を推進することのできる主体はわが国際主義者のみである。われわれは、労働運動を戦闘的に推進する中でいかにしてプロレタリアートを革命的階級へと組織するのか、その具体的な活動と教訓をめぐって討論を進めるべきである。




(二)
 今日、日本のみならず先進国一般において、極右ナショナリズムの影響が労働組合員の中にまで及んでいる。労働時間の延長、搾取・収奪の強化、生活危機という三重苦に対する不満を、外国人労働者に対する敵意へと転じさせるための排外主義的キャンペーンは、一定の功を奏していると言わねばならない。労働貴族に牛耳られてはいない「左翼的」労働組合においても、その指導部は「多文化共生」を唱えるだけで、極右勢力に対する具体的な対抗運動を全く組織化できていない。
 これに対してわが探究派はこの間、高市政権と極右勢力による排外主義的ナショナリズムを打ち砕くためのイデオロギー闘争を、わが党員たちの所属する労働組合の内部において果敢に繰り広げてきた。われわれはこの闘いをつうじて、次のことの確信を得た。すなわち、プロレタリア革命党のメンバーたる国際主義者が同時に労働組合に所属しながら、労働組合の内部でナショナリズム反対のイデオロギー闘争を繰り広げること、そして労働組合組織全体を政治闘争へと牽引し、労働組合を「労働組合主義」の水準から引き上げることは、可能である。
 街頭でのプロパガンダや機関紙活動をつうじて、労働者階級に対して国際主義的なイデオロギーを注入するだけでは全く不十分である。国際主義的組織は、その個々のメンバーが自ら実存する職場または地域において同僚の労働者たちを組織化するように促し、労働者階級の内部に根をはるのでなければならない。そのために、わが探究派のメンバーがそれぞれの所属する労働組合において行なった諸活動とその教訓を明らかにしたい。

1)労働組合の公然面においてプロレタリア国際主義を貫徹する闘い
 各企業の職場に実存し、そこに組合が存在する場合には同時に組合役員でもあるところのわが党員は、高市政権・極右勢力の宣伝する排外主義的ナショナリズムがプロレタリアートの階級的団結を破壊するためのイデオロギーであることを暴露し、これに反対するべきことを、組合役員として組合員に呼びかけた。労働組合の役員に就任しているわが仲間の場合には、帝国主義戦争に反対し排外主義的ナショナリズムに反対するべきことを自ら執筆した運動方針に盛り込み、これを労働組合の定期大会において機関決定した。このことに基づいてわが党員は、大会方針に自ら盛り込んだ方針を他の組合員に向けて宣伝し、それの体得を促すために活動することを、組合内の先進的な役員・一般組合員と意志一致して、これを実践した。このようにしてわが党員は、自らが所属して活動する労働組合を「労働組合主義」の水準から大きく越え出させる形で、そこにおいてプロレタリア国際主義を貫徹したのである。このような闘いによってプロレタリア党の党員が労働者階級の内部に根を張ることこそが重要なのであり、これは、労働組合の外部からプロレタリア国際主義のイデオロギーを宣伝し注入するだけでは不可能である。

2)左翼フラクションの組織化と党細胞の創造
 わが党員たちは、党員であると同時に、労働組合員である。わが革命的左翼が労働組合の役員を担う場合には、われわれはプロレタリア党の党員にふさわしい理論と実践をこの労働組合の内部で貫徹し、労働貴族やスターリニスト・社会民主主義者らの指導する労働運動とは質的に異なるものとしてこの労働組合を強化しなければならない。
 ここで重要なのは、わが党員の呼びかけに応じる先進的な組合員と論議し、組合内左翼フラクションを結成したことである。わが党員を含むこの左翼フラクションのメンバーは、組合運動上のその時々の課題に取り組むためだけでなく、一切のナショナリズムを超克し帝国主義戦争を阻止するための闘いを実現するために討論する。わが党員はフラクションのメンバーに対してマルクス主義の立場を提起し、これを理論的武器として労働運動の具体的方針を練り上げ実現し、フラクションのメンバーたちのこの実践をめぐる論議とマルクス主義の教育を徹底的におこない、仲間たちを共産主義者へと変革し鍛えあげていかなければならない。わが党員はこのような活動を通じて、労働組合運動を左翼的に実現するための実体的基礎として左翼フラクションを確立すると共に、このフラクションを基礎にして、そこでのイデオロギー闘争を通じて、わがプロレタリア党の担い手をどしどしつくりだし、党細胞を建設するのである。

 この国際主義者会議に結集した同志たちの中には、労働組合をもっぱら経済主義的闘争の機関として位置づけ、革命的左翼がその内部で活動することに消極的な見解を示す人もいるかもしれない。しかし、労働組合員を「労働組合主義」のイデオロギー的水準から超え出させることができるかどうかは、もっぱらわれわれプロレタリア党の実践にかかっていると言わなければならない。世界各国のプロレタリア前衛党が、その党員の所属する各地の職場にプロレタリア国際主義に立脚した労働運動を組織するならば、現在よりも高い水準かつ大きな規模での闘いを展開することができるはずである。わが党員がマルクス主義の立場を貫徹して労働組合そのものを質的に向上させ変革する闘いを推進することをつうじて、その闘いの核心的なメンバーの間で左翼フラクションを結成し、これを前衛党の党細胞の基礎とする。この闘いこそ、『労働組合:その過去・現在・未来』においてマルクスが明らかにした思想の貫徹である、とわれわれは考える。

(三)
 わが革共同がこのように職場・労働組合における活動の意義を強調するのは、プロレタリアート独裁を樹立するために、労働者評議会の結成が決定的だからである。もっぱら形式的に言えば、労働組合は労働者階級の階級的組織化にとっての即自的な形態であり、これに対してわがプロレタリア党はその対自的形態であり、労働者評議会はその即かつ対自的な形態、という構造をなす。われわれプロレタリア党は、労働組合の経済主義的な闘争=自然発生性に対して目的意識的に介入し、労働組合の運動そのものにおいてプロレタリア国際主義の立場を貫徹して、これを即自的なものから不断に脱却させるのでなければならない。そうでなければ、ブルジョア社会の決定的な危機の局面において、われわれが労働者評議会を牽引することはできない。つまり、われわれは革命の実現という目的意識性の観点から現在の実践を構想する必要がある、ということである。
 プロレタリア革命を実現する決定的局面において、われわれ革命的左翼は労働者評議会の結成を主導し、これを基礎にして、一切の生産を掌握しなければならない。そのために基礎となるのが、われわれプロレタリア党の党員たちがそれぞれの職場において建設している党細胞と、またそれに指導される左翼フラクションなのである。われわれが中核となって、全ての労働者階級をそれぞれの職域・産業の区別に基づいて各職場評議会へと組織しなければならない。そして、この職場評議会を基礎にして、業種別的・産業別的にも、そして地区的・地方的にも労働者評議会を結成し、これらすべてを包括しその頂点にたつ全国(全産業)労働者評議会を創造しなければならない。すなわち、われわれは、労働者評議会を、職場労働者評議会を基底とし・全国労働者評議会を頂点として、業種別的・産業別的と、地区的・地方的との二重の構成をもつものとしてつくりださなければならない。この全国労働者評議会が、ブルジョア国家権力を打倒し、みずからを唯一の国家権力にたかめるのであり、革命政府の構成員を選出するのである。
 このような立場からして、獲得したそのメンバーたちがどれだけ職場に根を張っているのか、どれだけ職場の労働者たちを組織しえているのか、ということが問題なのである。いざ革命を実現するという決定的な瞬間に、そのメンバーたちが職場のすべての労働者たちを組織して職場労働者評議会を創造することができるのかどうか、経営者や管理者たちを職場労働者評議会の統御のもとにおいて、職場労働者評議会が労働組織を編成し、生産を遂行し管理することができるのかどうか、ということが問題なのだからである。プロレタリア党が獲得したメンバーたちがそれだけの力をつけているのかどうか、ということが問題なのだからである。したがって、われわれは、職場においてプロレタリア党の細胞を創造し、種々のフラクションを組織して、労働組合の団結を強化することが必要なのである。
 われわれ国際主義者が職場と労働組合における活動に関して討論する場合には、このようにしてプロレタリア革命の実現という目的意識性の観点から現在の活動を規定することが肝要である。わが革共同は全ての諸君に向けてこのことを呼びかけるものである。
(2026年3月2日)

 

フランス・パリ「国際主義者会議」2026に向けた探究派のアピール(その1)

没落するアメリカ帝国主義の戦争放火と日本帝国主義の戦争準備——排外主義的ナショナリズムを打ち砕く

イデオロギー闘争を強力に推進しよう!

(一)
 今年1月3日未明、トランプ政権はベネズエラの首都・カラカスに対して150機以上の戦闘機を用いた空爆を実施し、地上部隊によりマドゥロ大統領夫妻を拉致した。その上でトランプは、アメリカがベネズエラの石油産業を支配することを、これに協力しない場合はベネズエラの現体制を打倒することを宣言した。アメリカは、マドゥロ夫妻の一挙手一投足を監視しつつ、ベネズエラがロシアから輸入していた防空システムを無力化した上で今回の攻撃を成功させたのである。当初はこの攻撃を激しく糾弾した副大統領ロドリゲスは、再度の攻撃を仄めかしたトランプに対し、一応は協力する姿勢へと転じた。中南米における「反米」政権の急先鋒を屈服させ、石油権益の確保を狙ったアメリカ帝国主義の企ては、このようにして成功を収めたかに見える。
 だが、これは没落するアメリカ帝国主義の悪あがきに他ならない。トランプはすでに昨年11月、新たに発表した国家安全保障戦略の文中において「モンロー主義」への回帰について言及した上で、ベネズエラを攻撃した直後には自ら「ドンロー主義」を提唱した。すなわち、ウクライナをはじめとするヨーロッパでの戦争からは徐々に手をひくと同時に、西半球だけはせめて自らの支配下に確保しようとする新たな世界支配戦略が、それである。トランプ政権がこのようにして天然資源の確保に躍起となり、世界の再分割をかけた新たな帝国主義戦争へと突き進んでいるのは、アメリカ諸資本が中国との角逐において劣勢に立たされていることに基づく。
 今回のベネズエラ攻撃そのものが、アメリカ帝国主義の没落ぶりを明らかにした。トランプは、たとえ圧倒的な軍事力でベネズエラ軍を沈黙させたのだとしても、チャベス前大統領以来の「反米」体制そのものを転覆はしなかった、否できなかったのだ。大統領代行に就任したロドリゲスは、トランプ政権への表向きの協力に基づいて実利を得て、マドゥロ政権下で破綻していた政治経済体制を固め直そうとしている。このボリバル共和国そのものをアメリカの傀儡国家へと転換させるだけの力は、アメリカには最早ない。過去の植民地支配、そして「シカゴ学派」主導の新自由主義的経済政策によって収奪されてきたのが中南米の労働者階級である。彼らは、たとえ歪曲された形ではあれ表向きは「社会主義」を看板にした「反米」政権に依然として一定の支持を与えているのであって、アメリカ帝国主義が支配を貫徹できないのは目に見えている。
 また、ベネズエラから一気呵成に中国の影響力を排除するのは危険である、という判断もトランプには働いたことだろう。中国・習近平政権がレアアース輸出規制をひとたび発動するならば、アメリカが優位を守りたいハイテク産業の商品生産はたちまち危機に陥る。せいぜい、中国特使がベネズエラを訪問していたその時を狙って軍事行動を起こすことによって習近平の面子をつぶすくらいのことしかできなかったのが今のアメリカなのだ。
 そうであるだけに一層、トランプは「ドンロー主義」に基づく世界の再分割をこそ「偉大なアメリカ」復活への突破口と見ている。「シェール革命」のゆえに休眠化していたアメリカ国内の既存の製油所をベネズエラ産の重質油輸入によって再び活発化させること、これのみが今回の攻撃の狙いなのではない。拘束されたマドゥロの姿を他の「反米」国家権力者に見せつけて威嚇すること、そして「反米」レジームは差し当たりそのままにした上でアメリカへ協力させ、中南米の豊富な天然資源を中国から奪回することが、アメリカ支配階級の根底的な動機である。とりわけレアアース・レアメタルの獲得をめぐる激突が、世界の再分割をめぐる闘争の一大焦点をなす。なぜなら、東および西の帝国主義陣営は、各国におけるICTの導入を通じての直接的生産過程の技術化、すなわちプロレタリアートからの一層の搾取と収奪を進めるために競い合っているのだからである。
 アメリカ帝国主義が中南米に軍事介入するのは、1973年のチリ・ピノチェト政権に対する軍事クーデターの支援、1983年グレナダ侵攻そして1989年のパナマのノリエガ拉致以来のことであり、ソ連邦の崩壊後としては初めての事態である。この30年余りの国家間関係を西側の「盟主」自身が破ったことに対して、例えばドイツ首相メルツが「米国の介入の法的な評価は複雑だ」と弱々しく述べたように、ヨーロッパの国家権力者は動揺を隠さなかった。ロシアおよび日増しに台頭する中国という東側の帝国主義陣営(崩壊したスターリン主義政治経済体制から転化したものとしての性格を刻印されたそれ)に軍事的にも経済的にも対抗してきたこれまでの西側の帝国主義陣営は、すでに一個の陣営としての体をなさなくなっている。それだけに一層、ヨーロッパの帝国主義諸国家はロシア帝国主義に対して、また日本帝国主義は中国帝国主義に対して、それぞれ莫大な額の軍事費を投じて本格的な戦争準備に突き進んでいる。
 このような時代の転換点にあって、各国の社会民主主義者および転向スターリニストは「国家主権の尊重」を要求することで、東西の軍事的均衡を国際法上の「平和」状態だと理想化している。こうした小ブルジョワ的平和主義をイデオロギー闘争をつうじて粉砕しつつ、われわれ革命的左翼はプロレタリア国際主義に立脚して反戦闘争を推進するのでなければならない。

 

(二)
 日本では2月8日の衆議院選挙において、自民党と維新の会が全議席の3分の2以上を獲得した。これはすなわち、高市政権の与党が憲法改定を発議する勢力を確保したということである。高市は、外に向かっては反中国の軍事力を増強し、内に向かっては移民排斥の日本ナショナリズムを宣伝することによって、生活危機にあえぐ労働者階級の不満を押さえ込もうと目論んでいる。こうした政策の故に彼女は、「リベラル」石破に代わる強力なリーダーとして、日本ブルジョアジーからの熱い支持を得たのである。
 日本初の女性総理として登場した安倍派のナショナリスト・高市早苗は1月16日、イタリア首相メローニと東京で会談し、親密ぶりを内外にアピールした。この二人は単に女性であるというだけで親密なのではなく、排外主義をイデオロギー的な心棒にしている点で、そしてまたアメリカには依存せずに独自の軍事力強化を推進するその階級的利害において、相通じている。
 既に日本とイタリアは、イギリスを加えて三国共同での新たなステルス戦闘機開発に着手していた。これはイタリアにとって、ロシアに立ち向かうEUを自らが牽引していくにふさわしい規模の軍事力を構築するためであり、日本にとっては、中国に対して軍事的に対抗する上での切り札となる戦闘機を得るためである。そして、ただ単に軍事力の強化のみがこの戦闘機開発の動機なのではない。「グローバル戦闘航空プログラム」(GCAP)参加国はこの戦闘機開発を通じて、半導体産業をはじめとする自国の工業生産を強化拡大させて研究開発への投資を呼び寄せることを、また軍事研究の成果を「デュアルユース」の名において民生用としても活用し独占資本の直接的生産過程を高度に技術化することを、さらには「サプライチェーン」の共有をもって中国による資源外交に対抗することを、それぞれ企図している。この戦闘機開発は、イタリアと日本にとっては自らが一流の帝国主義国家として台頭するための一大事業に他ならない。まさしくアメリカ帝国主義が没落ぶりをあらわにしている今こそが、メローニと高市にとって自らの飛躍をかけて行動するべき好機なのである。
 高市は首相に就任してすぐに、中国が台湾に対する軍事侵攻を開始した時には日本軍も軍事行動をとることを明言し、これに対して中国・習近平政権は即座に、日本を訪れる予定だった大量の中国人観光客に対して渡航中止を呼びかけたほか、レアアースの輸出規制を発表した。就任早々、横須賀基地でトランプと抱擁してヤンキー軍人からの熱い拍手を浴びた余韻に浸っていた高市は、中国との軍事的緊張が高まる際にはアメリカ帝国主義がきっと手を差し伸べてくれることを期待して、また同時に日本「有事」にあたってはアメリカが日本を防衛することを定めた日米安保条約が存在することをトランプに再認識させる意図をも込めて、国会の場で中国に対する挑発的な言動を公式に表明したのだった。しかしながら結果は、中国との緊張関係を高めないように高市がトランプから諌められるという結果に終わった。その時まさにトランプは「ドンロー主義」国家戦略の緻密化とベネズエラ攻撃の計画に専念していたのであり、高市としては期待を裏切られる格好となった。高市が今メローニとの交歓に積極的なのも、アメリカから肩すかしをくらったという、このことの教訓化に基づく。まさしくアメリカ帝国主義の歴史的没落ゆえに、日本は今後、ヨーロッパ帝国主義と軍事的にも経済的にも関係を強化していくであろう。(高市・メローニ会談においては、戦闘機開発へのドイツの参画も議題に上がった。)
 東側の帝国主義陣営すなわち中国とロシアを地理的に挟みながらも日本帝国主義とヨーロッパ帝国主義とが急接近する、という今日の情勢のもとで、各国権力者は膨大な国家予算を軍事部門へ投入し、さらには徴兵制の復活を目指している。日本では、極右政党が「核武装の方が安上がりだ」と主張し、高市政権の高官がそれを選択肢として検討している旨の発言をあえてした。中国に対する敵愾心と日本民族の優越意識をあおり立てることによって、労働者階級を戦争へと駆り立てているのが極右政党および高市政権である。彼らは、日本ブルジョアジーを利するよう円安・株高状態を意図的に作り出す「責任ある積極財政」なるものを推進し、そのことによってわれわれ日本のプロレタリアートに生活物資の高騰・実質賃金引き下げを強いているのであり、これに反抗するプロレタリアートの闘争が高揚するのをあらかじめ封じ込めるためにも、天皇制ナショナリズムを注入して日本「国民」のイデオロギー的統合を図っているのだ。このような情勢のもとでわれわれ革命的左翼は、天皇制軍国主義ナショナリズムを粉砕するイデオロギー闘争を全社会的に推進するのでなければならない。
 そしてこれと同じ任務が、極右勢力の台頭する各国の国際主義者にも同じく課せられているとわれわれは考える。
 全世界の同志たち!既存の世界秩序が危機にある中で、プロレタリアートは貧困に突き落とされ、新たな戦争へと動員されている。われわれ国際主義者は、それぞれが所属する職場・労働組合において帝国主義戦争反対の闘いに決起すべきことを同僚たちに提起し、労働者階級を革命的階級として組織化しよう!この組織化の実践、その教訓をめぐって討論することをわれわれは全ての同志たちに呼びかける。
    (2026年3月1日) 

 

 

フランス・パリ「国際主義者会議」2026

探究派が代表を派遣、

プロレタリア国際主義の貫徹を訴える


 アメリカ帝国主義・トランプ政権がイラン軍事攻撃を継続し、また中国帝国主義が台湾の軍事的統⼀を画策する緊迫した情勢の下、2026年5⽉15⽇から3⽇間にわたりフランス・パリにおいて「国際主義者会議」(Internationalist Meeting)が開催された。わが同盟・探究派は、2023年イタリア・ミラノにおける初回会議に参加して以来久⽅ぶりに現地へ代表を派遣し、国際反戦闘争をいかに発展させ、また職場闘争をいかに展開するのかをめぐって縦横にイデオロギー闘争を展開した。これをつうじてわれわれは、世界各国から結集した左翼諸団体との交流を深化させつつ、反スターリン主義の思想を国際的に波及させる闘いの前進をかちとった。
 今回の国際主義者会議は、イタリアの「ロッタ・コムニスタ」ならびにフランス「反資本主義新党・革命派」(NPA-R)を中心とする実行委員会の尽力により実現した。プロレタリアートの国際センターが存在しないがゆえに、この国際主義者会議が毎年開かれていること自体、全世界の革命的左翼にとって大きな意義をもつ。相対立する見解を有した諸団体が一同に会して意見交換するというあり方からして、この会議がそのままプロレタリア世界党の基礎となる、とは言えない。それでも交流のための場として注目を集めているのは確かであって、2023年ミラノでの初回に参加していた団体が26だった(論文寄稿のみの組織も含む。なお当時「革マル派」中央官僚は逃亡した)のに比して、今回その数は50を超えた。われわれ探究派は、同志松代の論文「全世界の同志たちへ」を事前に公表し(*)、会議に先立ってヨーロッパの同志たちとそれをめぐっての討論を行なった上で、パリ現地に赴いた。
*「北井信弘のブログ」にて今年2月18日から連続的に掲載したもの。

 雨が降って肌寒さの残る5月15日(金)、この日は「青年層の組織化と職場・労働組合での活動」を主題として討議が行われた。パレスチナ連帯運動や環境保護運動など、各国の若者がすでに取り組んでいる「進歩的な」闘いを手放しで肯定し、それに乗っかって組織を拡大させようとするトロツキスト諸派に対して、われわれは「ブルジョア社会の枠内での改良闘争を積み上げることによってはプロレタリアートの自己解放など実現し得ない」と断固として批判し、われわれの組織的な実践をつうじての諸教訓を明らかにした。
 つづく翌16日・17日の主題は、世界情勢分析と闘争方針の解明である。われわれは、東と西の帝国主義陣営相互の激突のもとで軍事力の飛躍的強化に突き進む日本帝国主義・高市政権に反対するための闘いの指針を示した。これに対して多くの参加諸団体が少なからぬ関心を寄せた。ロシア帝国主義に対抗しつつ、トランプ政権から独立して「再軍備」(Rearmament)を進めているのがヨーロッパ帝国主義である。これと歩調を合わせて、中国帝国主義への軍事的対抗を独自に図っているのが高市政権であり、そのことを明らかにして国際反戦闘争の指針を示したわれわれに対し、フランスの実行委員会メンバー、また徴兵制再導入反対の闘いに取り組むドイツの同志たちが握手を求めてきた。
 会議の規模は拡大しつつあるが、討論の質も向上している、とは到底言えない。ウクライナ問題に関して「民族自決権支持」のテーゼに固執したり、「中国は帝国主義ではない」と言い張るトロツキズム教条主義者がいまだに存在する。そうした中で今回イランをはじめ、まさしく戦火の只中にある地からも同志たちが会議に駆けつけた。われわれは彼らと固い握手を交わし、国境を超えた労働者階級の団結を創造して現下の戦争的危機を打破するために共に闘っていくことを誓ったのである。
 われわれ探究派・国際部はこれからも反スターリン主義運動の国際的波及のために奮闘する決意である。共に頑張ろう!
(2026年6月15日  春木 良)

 

軍需産業の強化と武器輸出に狂奔する 高市政権の国家総動員体制づくりを粉砕しよう!!

「国家情報会議」の設置・

「スパイ防止関連法」の制定に突き進む

高市政権を打倒しよう!!


兵器輸出に突進する日本帝国主義


 シンガポールで5月29日~31日の日程で開催された第23回アジア安全保障会議(イギリスのシンクタンクの国際戦略研究所が主催)には、40か国以上(アジアや米欧の参加、中国は今回不参加)の担当閣僚や軍高官や外交官などが参加した。

 日本から参加した小泉進次郎防衛相は、「核兵器や戦略爆撃機を大量に保有している国」というように、あからさまに中国をさして、日本政府を「新型軍国主義」とよぶのは不当であると主張した。小泉防衛相は、この会議で、日本政府はアジア太平洋地域全体の軍備拡張へ新たな役割を担うと公然と披歴した。

 これは、日本の高市政権が対中国の軍事的包囲網を形成することを公然と宣言したことを意味する。そのためにも軍需産業の育成を図っているのである。日本の軍需産業諸独占体は、高市政権の強力な支援を受けながら、旧来型の兵器などを大量に売りさばくとともに最新鋭の軍事技術の新たな開発と製品化を推し進めようとしている。この動きを加速させるために高市政権は、オーストラリアとの軍事協力を軸にして武器輸出をひろげているのだ。ちなみにオーストラリアには「もがみ」型護衛艦(国際的にはフリーゲート艦とよばれている)を11隻導入する計画を立てているが、うち3隻は日本の独占体が造り、8隻をオーストラリアが今後建造する計画である。
 日・豪・ニュージーランドのこれら3国の権力者どもは、「中国の海洋進出」に対抗することを共通の安全保障の課題として位置づけ、海・空軍の戦闘能力を高めるために軍備増強に突き進んでいるのだ。

 

 

中国軍に対抗する新鋭兵器の開発


 また、日米協議では、小泉防衛相はアメリカのへグサス国防長官と弾道ミサイルを迎撃する「SM3ブロック2A」や戦闘機に装備する空対空ミサイル「AMRAAM」などの生産を強化することで合意したという。これらは、高市政権が「防衛装備品」の移転に関する運用方針を見直し、これまでの「5類型(救難・輸送・警戒・監視・掃海)」に限るという制限を撤廃する法改正を基礎にして、武器輸出を全面的に認めたことで可能になったのだ。このような法改定を基礎にして、国内の増産をはかっているのだ。高市政権は、これまでの「安保3原則」の改訂に踏まえて、武器輸出の飛躍的拡大を推し進めているのである。

 

高市の「強い日本」は“戦争ができる国” 


 5月27日、首相・高市は「国家情報会議」設置法を、参議院本会議で自民・維新の与党に加え、国民民主、公明、参政の諸党をしたがえて可決・成立させた。
 この「国家情報会議」は、首相をトップとする閣僚たちで構成し、警察庁、外務省、防衛省、公安調査庁などの既存の情報組織の「縦割り」を排して、情報を一元的に収集・管理し、総合的に分析する「総合調整権」をもつ「司令塔機関」である。
高市は、2021年の自民党総裁選から「インテリジェンス機関の体制強化」を公約に掲げてきた。今回の衆院選でも「国論を二分するような大胆な政策」の一つとして訴えた法案なのである。首相・高市は日本帝国主義国家の情報機関を一挙的に強化したのだ。
 政府・自民党は、関連法案を今国会で成立させて、7月をめどに「国家情報会議」の事務局として(内閣情報調査室を「発展解消」して)「国家情報局」を新たに設定しようとしている。この「国家情報局」を始動させることを「フェーズ1」(第一段階)と位置付けている。そうすることで、「インテリジェンス(情報収集・分析)改革」によって、「外国勢力による諜報活動」などを取り締まる「スパイ防止関連法」や独立した諜報機関「対外情報庁」の創設に向けた論議を本格化させようとしている。こうすることが高市のいう「強い日本」であり、まさに“戦争ができる国”なのである。高市政権は、近隣諸国だけではなく、グローバルに諜報活動をくり広げて、情報を察知し、分析し、対中国(ロシア・北朝鮮)の帝国主義的侵略戦争を推進するための体制を盤石にしようとしているのである。
まさにそのためには、国内に向けては、軍備増強や戦争に反対する人々の動向を探り、未然に弾圧し根絶するために監視網を張りめぐらせているのである。われわれはこの策動を断じて許してはならない!!

中国との戦争のための「国家情報局」


 中国国家権力者・習近平は、ロシア国家権力者・プーチンとの連携を強化し、BRICSなどを通じた「グローバルサウス」への接近を戦略的に進めている。これは、アジア・欧州・アフリカを巨大な経済圏で結ぶ国家戦略であり、インフラ投資などを通じて新興国への影響力を強化しているのである。台湾は中国の一部(一つの中国)であり、台湾の統合は中国の「核心的利益」であると位置づけ、台湾の独立は許さないという態度を明確にしている。高市政権は、ドンロー主義を唱えるアメリカ帝国主義国家権力者トランプの動向をけん制しつつ、独自の「強い日本」のために傾注しているのである。
 日本帝国主義国家権力者・高市は「台湾有事」を日本の「存立危機事態」であると主張し、「集団的自衛権」を行使する可能性があると国会答弁で発言したことが、中国からの「日本軍国主義への復活」という猛反発を招いたにもかかわらず、この発言を正当化し続けている。中国への警戒心をあらわにしているのである。このような立場から中国との戦争のための「国家情報会議」の設置を目論んだのである。
 また、北朝鮮国家権力者・金正恩は、ロシア国家権力者・プーチンとの連携を強め、ウクライナ戦争に1万2000人以上の兵士を鉄砲玉として差し出した。(クルクスの最前線で約4000人以上が死傷したといわれている。)さらに、巡航ミサイル、弾道ミサイルなどの発射実験を繰り返している。これは、日米の軍事的圧力に対抗する戦力の強化のみならず、政治・外交的な圧力(経済制裁の解除や体制保証の要求)を目的としているのである。これに対して、日本政府はこれらの動向を日本の安全保障にとって「重大かつ差し迫った脅威」であると主張し、これを口実とし、独自に経済的軍事的に対抗するために「国家情報会議」を立ち上げるとともに、軍備増強をすすめようとしているのである。

 

「憲法改正」に突き進む高市政権


 自民党は、現行憲法改定の要点として「自衛隊の明記」・「緊急事態条項の新設」・「教育無償化」・「参議院の合区解消」の4項目を挙げているが、そのうち現在の最大のねらいは「自衛隊の明記」と「緊急事態条項の新設」である。これらは戦時体制の構築のために必須なのだからである。高市政権は2026年2月の衆議院選挙で圧勝し、自民党だけで三分の二を超える議席を獲得したことを基礎として、“今がチャンス”とばかりに、憲法の改定に取りかかっているのだ。

 これに対して、われわれは、野党諸政党の「憲法」擁護運動の反労働者性をあばきだし、高市政権の憲法改定の策動、戦争遂行体制の構築を粉砕するために闘おう!!
労働者・学生・知識人たちは、団結して兵器の大増産反対・武器輸出反対を掲げて闘おう!!
 “戦争ができる国”づくりを推し進める高市政権を打倒しよう!!
 プロレタリア・インターナショナリズムに立脚し、いっさいの帝国主義戦争に反対し、現代帝国主義諸国家・階級諸国家を打倒するためにたたかおう!!
 (2026年6月15日  赤井 龍緒)

 

「国力研究会」を発足させ軍備増強・戦争翼賛体制の構築に突き進む高市政権を打倒しよう!!

 2026年5月21日、「国力研究会」(通称「JiB=Japan is Back」)の初会合が開かれた。この会は、自民党の総裁・高市早苗を支持する「高市総理の応援団」と称しているのであるが、実際には戦争遂行・推進体制の構築を図るためのものにほかならない。
 入会者は347人(自民党所属の国会議員の約8割)であり、そのうちの320人以上が出席したのであった。

 

総力戦体制の構築

 

 発起人には麻生太郎副総裁をはじめ、昨年の総裁選に立候補した小泉進次郎防衛相、茂木敏充外相、小林鷹之政調会長らが名前を連ねた。最高顧問に麻生副総裁、会長に加藤勝信前財務相、幹事長に萩生田光一幹事長代行、事務総長に木原稔官房長官が就任した。
 これは、裏金事件を契機に麻生派を除く自民党派閥が「解散」して以来、新人議員の66人と有力議員やグループを囲い込む「巨大グループ」の結成である。  
 日本国内外に「高市一強」の強固な足場固めをしたことを誇示するものである。
〈なお、林芳正総務相は発起人から外れ、初会合も欠席している。彼は、旧岸田派(宏池会)のナンバー2である。岸田文雄前首相を中心とする勢力は「高市一強・麻生主導」に対して、一定の独自性を保とうとし、また、石破茂前首相や岩屋毅前外相も、入会していないことからすれば、彼らは明らかに距離をおいている。〉

 首相・高市は、「国力研究会は“高市総理の応援団”としての性質を持つ会ですが、設立の趣意が”政府と自民が一体となって政策を実行する“という純粋な勉強会の形をとっている…」といっているのであるが、これは、全くの欺瞞である。首相・高市は、2027年秋の任期満了に伴う自民党総裁選に向けて、高市の党内基盤を強化することをねらっているとともに、政策の実現に弾みをつけるために権謀術数を弄しているのだ。このようにして政治体制の基盤を盤石にすることをもって、低迷する日本帝国主義が世界に〝雄飛”することに着々と備えているのだ。
 それは次の事態に明らかである。
 初会合で、ジョージ・エドワード・グラス駐日米大使が「トランプ大統領・高市首相による日米黄金時代のビジョン」と題して講演した。その内容は、日本の過去最大の軍事費や敵基地攻撃能力の導入などを評価したうえで、対ドローン分野などの具体例を挙げながら「米国企業は同盟に必要な力を提供する準備ができている」と述べて、さらに多くの武器を売ることを強調したという。
 これは、首相・高市が3月19日にトランプとの首脳会談で企業のトップ(ソフトバンクグループの孫正義やトヨタ自動車や三菱重工業の幹部ら——TBSニュース)を同行させて、醜悪な抱擁をして約束した軍事力の強化を現実化しようとするものである。
 政治的・経済的な権益を求める資本家階級の目的を、旧派閥をとび越えて、「国力研究会」で根回しし、日本帝国主義の再興を実現していくために、萩生田は「しっかりとスクラムを組んで政権を支えながらがんばっていこう」と呼びかけたのだ。
 同時に、この「国力研究会」は、反面、首相・高市が、右翼勢力に支えられてブームをつくってきたがゆえに、支持基盤のその不安定性を克服する思惑をもったものなのである。

(産経新聞出版 2024年8月)


 そのためにこそ、日本国内で戦争反対運動を取り締まることをねらっている。その一端が、今、自民党が、国家情報会議設置法を成立させたこと、「スパイ防止法」や「国旗損壊罪」 などの策動を企んでいることにあらわれている。 


いっさいの帝国主義戦争に反対しよう!

高市政権を打倒しよう!

 

 われわれは、これまで首相・高市のもとに極右勢力の統合が図られ軍事力の強化に突き進んでいることを暴きだし反対運動を推し進めてきた。   
 この「国力研究会」にかけた高市政権の野望を徹底的に暴露して闘っていこうでないか。

 日本の軍事増強に反対!!

 アメリカ帝国主義のイラン軍事攻撃弾劾!! いっさいの帝国主義戦争反対!!
 臨戦体制の構築を図る高市政権を打倒しよう!!
  (2026年5月27日 草津多恵)