コロナ危機下の賃金カットをストップ!

 介護施設経営者が新手の賃金カットをはじめた!

 都内の、ある介護施設で働く労働者の家族が、コロナウィルスに感染した。この事実を知った施設経営者は、すぐにその労働者を出勤停止にした。そして、経営者がおこなった従業員への通知は、こうである。
 コロナウィルスに家族が感染した場合は、当該社員は二週間の自宅待機とする。
 その場合に、有給休暇を取得することはできない。給与の支給額は、諸手当を除く基本給部分の六割とする。
 どういうことなんだ!
    コロナウィルスに感染したら、手当ふくめた実質的な給与を  5割カットするってことじゃないか。しかも、手当をのぞけば基本給与は、三分の二だ。さらに、本人のみならず、家族も、感染しようものならば、給与カットされて生活できなくなるぞと、経営者が、脅しをかけているに等しいじゃないか。
 この施設で働く人々は、いま、職場の仲間たちと、もう黙ってたらダメよ、と施設責任者に、憤りをつきつけた。「こんな理不尽なことがあるか!私らが毎日、入所者の介護を身を粉にしておこない、排泄物にまみれながら、働いているからこそ、会社は利益を出しているんじゃないの。会社に、コロナウィルス感染への対策として、従業員に、給与全額補償を求めます!」
 労働者たちは、経営者が、自分たちを、介護労働力として、使用に堪える場合のみ賃金を支払う価値があるにすぎないもの。つまり労働力商品だと自覚しつつある。
    「社会の仕組みを変えなきゃだめだ。」
 雇用契約し賃金額を決め、介護現場で働き、最後にようやく決めていた賃金を受け取る。ここで初めて生活費が手に入る。いまはコロナウィルスにいつ感染するかもしれない。働く者は、いつでも、賃金カットされたり、解雇される可能性が高まっている。

    今こそ、団結し、働く者の社会に変えよう! 

                      (二〇二〇年七月二五日 川口和男)