中国、台山原発の「燃料棒破損」を認める!

 6月16日、中国生態環境省が台山原発1号機が「燃料棒破損のため、冷却材中の放射性物質が上昇した」と、渋々発表した。燃料棒「5本前後」が破損した、という。しかも、「技術や、安全面の基準を満たしている」として運転を続けている。
 
 これは大問題である! 中国の隠蔽体質とずさんな原発の安全運転の現実が明らかになったからだ。
 CNNが、6月14日に「台山原発放射性物質を含んだ希ガスが漏れている」、台山原発に技術供与し、原発の「管理と運転に関与している」フラマトム社(国営フランス電力会社の子会社)が、米国エネルギー省に「問題解決のための技術支援を求めた」とすっぱ抜いたからである。ついで、各国メデイアが後追い報道を開始した。中国当局が火消しに回った、ということであろう。
 しかし、その内容がひどい。
 国営フランス電力会社は取材に応じ、「燃料棒のコーティングに問題があり、蓄積された希ガスが放出した」と説明した。さらに、中国当局は「2機の原発とも、運行基準は原子力安全法と原発技術基準の要求を満足させている」とコメントを出した。
 なんで燃料棒の破損が「5本程度」と言えるのか? そして「コーティングの問題」なのか? その根拠はなんら示されてはいない。台山原発1号機の運転を停めて、600本すべての燃料棒を引き出し、全数検査したわけではあるまい。
 燃料棒の破損は、冷却水の流量、流向に作用をおよぼす・制御棒の挿入に支障をきたす、極めて危険なことなのである。しかも、その燃料棒の破損が、「5本前後」もある、というのに「安全だ」、とは!! 運転中に破損した燃料棒が核反応を続け、その熱で「損傷」が拡大し、メルトダウンを引き起こしかねない問題なのである。直ぐに運転を停止すべき事故なのである。

 中国権力者は、台山原発を即刻運転を停止せよ!!
 中国権力者は、中国の原発すべてを廃炉にせよ!!
 中国権力者による原発輸出を絶対に許さない!!
 
       (2021年06月26日   田所信一)